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事例紹介

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ケース紹介

 

火災事故の損害賠償交渉

子どもの火遊びが原因で、建物が火災事故の被害にあった方の代理人として、損害賠償交渉をしたケースです。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.28

 

子どもの親権者に弁護士がついたため、こちら側も付けたいという依頼でした。

主に、賠償すべき損害の範囲について交渉をおこないました。

被害箇所の修復工事が相当であったかなどについて、詳細な意見書を作成するなどして、交渉活動をしたケースです。

 

火災事故で、火災保険を利用した場合には、保険会社と加害者との交渉になることが多いのですが、保険を使わなかったり、保険に入っていない物件の場合には、直接の交渉になることもあります。

そのような場合には、保険会社と加害者の間で行われた火災事故に関する裁判の情報が役立ちます。

 

火災事故裁判のポイント

交渉で進める際にも、裁判になったらどのような結論になりそうかを検討します。

それにより交渉態度は変わるからです。

火災事故での裁判では、まず、出火原因の特定が問題になります。

消防署等で作成された火災事故の実況見分結果、保険会社の火災原因判定書などから特定されることになります。

出火原因が判明、推認された場合には、その後に責任の有無を検討するという流れになります。

そのため、このような流れのなかで、裁判にどれだけ耐えうるかを検討することになるのです。

 

 

子どもの火遊びと失火責任法

このような子どもの火遊びによる火災事故が発生した場合、本人の不法行為責任を追及しても失火責任法の問題があります。

失火責任法は、重過失がなければ責任を負わないとする法律です。

この重過失のハードルはかなり高いです。

「重大ナル過失」が認められるには、通常人に要求される程度の相当な注意をしないでも、わずかな注意さえすれば、たやすく違法有害な結果を予見することができた場合であるのに、漫然これを見過ごしたような、ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態をいうと定義されています。

たとえば、東京地方裁判所平成30年2月20日判決では、中学生の子供の友人の火遊びについて、失火責任法の重過失を否定しています。

 

幼児の火遊びと親権者の責任

幼児のように、責任を弁識する能力のない未成年者の行為により火災が発生した場合においては、民法714条が適用されます。
未成年者の監督義務者が同火災による損害を賠償すべき責任を負うことになりますが、、監督義務者に未成年者の監督について重大な過失がなかったときは、その責任を免れるとされます(最高裁平成7年1月24日第三小法廷判決)。

そして、この場合の重大な過失とは、失火責任法ただし書きにおける重大な過失と同様、通常人に要求される程度の相当な注意をしなくても、わずかの注意さえすれば、たやすく違法有害な結果を予見することができる場合であるのに、漫然とこれを見過ごしたような著しい注意欠如の状態を指すとされています。

そこで、親権者に重大な過失があるかどうかが問われることになります。

2歳児がライターを手にして火遊び、火災事故が発生した事件で、東京地方裁判所平成28年3月10日判決は、親権者に重過失がないとして責任を否定しています。

ライターの保管方法に問題がなかったと認定し、責任を否定。保険会社は、本件居室に衣類や雑誌など容易に燃えやすい動産が積まれていたと主張しましたが、夫婦及び子が居住する居室に衣類や雑誌が存在するのは通常の状態であり、火災の発生を容易にしていたことを意味するとまでは認められないとして、重過失を否定しました。

 

 

子どもの火遊びと善管注意義務違反

親権者との間で契約関係にある場合には、その契約に基づく善管注意義務違反で債務不履行責任を追及する方が認められやすいです。

賃貸借契約などがあり、居住者の子供が火遊びで火災事故を起こしてしまったようなケースで、このような理論構成が考えられます。

上記、東京地方裁判所平成30年2月20日判決では、親権者に債務不履行責任を認めています。

この判決では、子供らが本件居室内で火遊びを行ったことがあり、本件居室をたまり場として利用し続けていることを認識していたとしています。

過去に火遊びに近いものを認識していたのであれば、再び本件居室内で火遊びを行い、火災が発生する可能性があることを具体的に予見することが可能であったというべきであるとしました。

本件居室の賃借人としての善管注意義務の一内容として、本件居室内において火遊びをしないように直接指導を行うか、その親権者らに連絡をとって注意させるなどして、居室内で火遊びを行うことを防止する具体的措置を講じる義務があったというべきであるのに、これを怠ったと認定。

その目的いかんにかかわらず本件居室への入室を拒むべきであったのにこれを許したものであって、本件火災の発生につき重過失は別論として少なくとも過失はあるというべきであるとしています。


 

火災事故に関する裁判、損害賠償交渉の相談も受けています。


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