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保証人と仮差押えの事例

10年近く前に、保証人になった債務について、不動産に仮差押えをされたとして、相談を受けた事例です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.28

仮差押えは、裁判の前に、担保を積んで財産を押さえておく制度です。

裁判をしていると、財産が譲渡されてしまう、なくなってしまう、などの恐れがある場合に使う手続です。

財産を隠されないようにする手続ですので、予告なくされることが多く、仮差押えをされたとあわてて相談に来る人も少なくありません。

 

仮差押の対象財産

仮差押をする人が持つ権利を被保全権利、被保全債権と呼びます。これを保全するために、民事保全法で認められた手続の一つが仮差押です。

仮差押をするには、対象財産を特定します。

預金や給料などの債権を仮差押することもありますし、本件のように不動産の仮差押をすることもあります。

被保全権利には、将来の求償権も含まれます。

 

なお、債務整理の受任後1ヶ月程度で、債権者が給料の仮差押をした事件で、慰謝料請求を認めた裁判例もあります。

 

不動産の仮差押

仮差押えがされた場合、登記の連絡や、裁判所からの仮差押え決定が突然届くことが多く、その書類だけ見ても、債権者がどのような主張をしているのかわからないことがほとんどです。

そのため、仮差押えの事件記録を裁判所からコピーするなどして、初めて詳細が分かります。

 

今回のケースでは、長期間、支払がされていなかったことから、時効が成立するのではないかと調査をしましたが、もともとの債務者の状況等を確認したところ、時効は成立していなかったため、債務があることを前提に、減額交渉をすることになりました。

その結果、仮差押えの請求金額よりも、相当低い額での和解が成立し、仮差押えも取り下げられ、解決できました。

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