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ケース紹介

 

自動車修理の損害賠償請求の事例

請負契約に関する相談も受けています。

請負契約の中では、建物の工事のような典型的なもの以外に、車の修理などもあります。

今回は、自動車整備のミスが争われた事案でした。

どのような裁判の流れになるか知っておくと良いでしょう。

 

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.8.27


自動車整備の請負契約

相談者は、従前から四輪車が趣味でした。

運転はもちろん塗装やステッカーを施すなどして楽しんでいた人でした。

被告は、自動車の板金・塗装等をしている自営業者。

 

相談者が、被告に本件車両と新品部品を持ち込み、車検及び交換等を依頼しました。


車検及び取り付け作業が完了したとの連絡を受け、工場に本件車両を取りに行きました。
しかし、帰宅後、交換した部品全てに擦過痕があり、破損していることに気づきました。また、本件車両に貼付していたステッカーが剥離したり亀裂が入ったりしていることにも気づきました。

さらに、少しの走行でも、交換部品から異音がするようになりました。数キロ程度の乗車にもかかわらず、交換箇所が手で触れられないほど高温になるという異常が発生。

取り付けミスの疑いがありました。

 

修復不能による損害賠償請求

交換部品は特殊な耐熱加工がしてあり、後から塗装をして擦過痕を修復することはできないものでした。

擦過痕は外観を損ねるだけでなく、擦過痕がなければ転売することによって購入額相当額で転売ができたのにこれが出来なくなったといえます。

また、擦過痕を放置すれば腐食等により機能に悪影響が及ぶ可能性がないとはいえません。

これらの部品代、交換費用の損害を受けたと主張したものの、被告は、極めて少額の支払提案をするのみで、話がまとまりませんでした。

そこで、損害賠償請求訴訟の依頼となりました。

 

被告は自身の責任を否定

被告は、工事と傷の因果関係等を争う主張をしました。

発生原因が不明であり、工事前に傷ついていた可能性や、工事後の走行で傷ついた可能性を主張。

一般的な部品交換での問題などでも、同様の主張はありえます。

 

判明直後のやり取りを証拠化

しかし、相談者が預けたのは新品の部品。ここで傷ついていたとなれば、初期不良で、メーカー側の問題となります。

このような場合、初期のやりとりの記録も重要になります。

今回のケースでは、傷を指摘した際、被告は、「いろいろ外したりなんかを何回かやってるので」等と述べており、頻繁な部品の着脱作業中に傷をつけた可能性がありえました。

また、傷を確認した際に被告が責任を認め、少額ではあっても補償を行う旨申し出ている事実もありました。

他方で、被告から、受領当初より傷があったとの主張がなされたことは一度もなく、取り付けを担当した整備士も、そのような報告はしていませんでした。

 

 

高温の異常性

交換部品が高温になる点については、原因の特定ができた方が良いです。しかし、難しい場合も多いでしょう。

裁判でも、メーカーの見解、他のカー用品店からの意見も証拠提出しています。

さらに、相談者は、発熱や異音の問題に気付いたため、メーカーに問い合わせていたためその回答も伝えています。

メーカーからは一定の指示がされたため、相談者から被告に対し修補を依頼するも拒否され、結局原因究明がなされなかったという経緯でした。

 

ステッカーの剥離について

損害のもうひとつがステッカー。

高圧洗浄をかければ、新しいものであろうが古いものであろうが、ステッカーは剥離するものとされています。

高圧洗浄機の取扱説明書では、ステッカー類への使用は避けるように注意書きがなされているほどです。被告は業務用で高圧力の高圧洗浄機を利用していると考えられるから、なおさらステッカー類への使用は避けるべき注意義務が課されているものと認められます。

このような点から、少なくとも過失が認められることを主張しています。


簡易裁判所から地方裁判所への移送

本件は、損害額が140万円未満であったため、簡易裁判所に訴訟提起をしました。

しかし、被告の反論等があり、争点が複雑と考えた裁判官が、地方裁判所に移送しました。

簡易裁判所への訴訟提起では、このように金額に限らず、地方裁判所に移されることがあります。

遠方の地方裁判所に移送された場合には、交通費や、尋問の際の出廷のための負担が増えることにはなります。

損害賠償請求訴訟の中には、ペット医療過誤訴訟など複雑なものもあり、このような場合、地方裁判所への移送がされることも多いです。

本件も、因果関係の特定のため、専門的な分析が必要と考えた簡易裁判所が移送という選択をしました。

 

傷の部位を特定

交換部品では、複数の傷が確認されたため、その特定をしたうえで、主張・立証しています。

基本的には、部位の写真撮影をし、写真撮影報告書を証拠として提出することになります。

このような写真を証拠提出したうえ、交換後の走行でついた傷ではないことを主張しています。

たとえば、走行時に飛び石により傷がついた可能性については、飛び石の接触する部位であるかどうか、メカニズムを具体的に主張することになります。

物理的な計算式の主張などもしています。

保険の事故などでもそうですが、何らかの損害が発生した場合の原因特定については、他の想定される原因の可能性を排除するとともに、あり得る原因を具体的に主張し、推認してもらう主張をすることが多いです。

 

文書提出命令

証拠収集方法の一つに、相手方が持っている証拠を提出させる方法があります。

このうちの一つが文書提出命令です。

一定の要件を満たす文書について、裁判所に申し立てをし、裁判所が採用すれば、命令が出されます。

これにより有利な証拠を裁判で提示することができたり、相手が拒絶した場合に、裁判を有利にすすめる事ができます。

過払い金の裁判などでは、消費者金融が開示を拒絶する取引履歴について、文書提出命令の申立が活用された事例があります。

本件のような、工事の問題が争点になっている事例では、相手が工事の際に撮影した写真や、報告書類、点検書類等の書面を開示させるよう文書提出命令申立の活用が考えられます。

 

私的鑑定及び専門委員

このような物理的な因果関係を認定する際、専門家による鑑定等が必要なことも多いです。

鑑定については、裁判所に申し立てをして鑑定人を選任してもらう方法や、自分たちで鑑定人を探し、鑑定結果をもらい、鑑定書を証拠提出する方法があります。これを私的鑑定と呼びます。

筆跡鑑定、指紋鑑定など文書作成の偽造を疑う場合に、私的鑑定をまずやってみるという対応も多いです。

今回も、専門的な内容となったため、私的鑑定を実施したうえで、証拠提出しています。

また、裁判所では、専門委員による意見確認もしています。

鑑定費用はほとんどの場合、10万円以上となるため、請求額が低い裁判では利用しにくいです。一方で、請求額が高額な裁判では、費用負担をしてでも鑑定をするメリットが大きいことも多くなります。

ただ、鑑定書に対しても、専門委員の意見に対しても、自身に有利な方向に原告・被告双方が主張することが多いです。

 

裁判上の和解

最終的に、裁判官が心証を開示した上で、裁判上の和解が成立しました。

被告が一定額を支払うという内容の和解が成立し、解決に至っています。

 

 

 

このように自動車整備を含めた請負契約では、工事内容に関するトラブルも想定されます。

大事な車を車検・修理等に出す場合には、その前後の写真を撮っておくなどしておいた方が無難であるといえるでしょう。


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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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