遺留分訴訟、鑑定の解決事例。神奈川県厚木市の法律事務所。

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ケース紹介

 

遺留分訴訟、鑑定の事例

遺留分請求訴訟の被告側の相談を受けた事例です。

不動産鑑定を入れるなど遺産の評価額が問題になった事例の解説をします。遺留分裁判における不動産鑑定、評価額の問題をあわせて解説します。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2023.6.23

 


遺産相続と遺留分

遺産相続は、ある人が亡くなったときにその財産がどのように分配されるかを決めるものです。

その中で、遺留分とは法律で保証された最低限相続できる財産の部分を指します。

遺留分は、遺言等によって相続財産が全て他の相続人や第三者に遺贈されるなどして、本来の取り分がなくなった場合でも、一定の相続人であれば受け取ることができる最低限の相続財産の部分です。

遺留分の存在は、相続財産に対する相続人の期待を保護する役割を果たしています。

 

遺留分の算定方法

遺留分の算定には、遺産の評価が必要です。

遺留分権利者の個別的な遺留分額は、

「遺留分を算定するための財産の価額」に「個別的遺留分率(=総体的遺留分率×各人の法定相続分)」を乗じて算出されます。

そして、この「遺留分を算定するための財産の価額」の算出をするにあたっては、相続時に存在する遺産の評価を行う必要があります。

 

不動産の評価と遺留分

相続財産に不動産がある場合、遺留分の算定においては、不動産の評価が重要な要素となります。

不動産評価が高くなればなるほど、財産価格も上がり、これをもとにした遺留分も多くなるからです。

不動産の評価方法には、固定資産税評価額、路線価、地価公示価格、地価調査標準価格など複数の方法あります。

しかし、遺留分算定の基礎となる財産額の算出にあたっては、時価による評価をする必要があります。

不動産の評価額や評価方法について当事者間で合意ができれば、それをもとに遺留分を計算することもできます。

これに対し、双方の主張する不動産の評価額に大きな差があり、不動産の時価額の合意ができない場合は、最終的には裁判所が証拠から評価額の認定をすることになります。

裁判所が認定する方法として、当事者から査定書などを提出させ、それを元に認定することもあります。しかし、不動産の評価額がポイントとなる事件で、査定額に差がある場合には、正式に鑑定を行うこともあります。

裁判所が選任した鑑定人が評価額を鑑定書として提示するものです。

不動産鑑定

不動産の鑑定とは

不動産の鑑定とは、不動産の価値を専門的な視点から評価することです。

不動産の価値は、その土地や建物の特性、立地条件、市場状況など多くの要素によって決まります。不動産の鑑定は、これらの要素を詳細に調査し、分析することによって行われます。裁判所における鑑定では、不動産鑑定士が当事者の意見を聞いたうえで選任され、資料をもとに評価額を鑑定書として提示します。

 

不動産の鑑定の方法

一般的な不動産の鑑定は、主に以下の3つの方法があります。

市場比較法:同じような特性を持つ他の不動産の売買価格を比較し、その不動産の価値を推定します。
収益還元法:不動産から得られる収益を現在価値に換算することで、その不動産の価値を推定します。収益物件の場合に使われる方法です。
建築物価格法:土地と建物の価格を別々に評価し、それらを合計することで、その不動産の価値を推定します。

鑑定のデメリット

遺留分関係の裁判などで鑑定が実施された場合のデメリットとしては

・費用

・時間

・不確実性

というものがあります。

鑑定は、裁判所が選任する鑑定士によるため、査定はおろか私的鑑定よりも費用が高いのが通常です。

また、鑑定士の選任・鑑定士による調査、鑑定書の作成と時間がかかります。さらに、その鑑定書の内容について争うこともあり、その場合にはさらに裁判に時間がかかります。

加えて、鑑定の結果がどうなるかは読めません。自分の有利な評価額になれば良いですが、不確実です。そのうえ、裁判所は鑑定結果を重視します。私的鑑定などであれば、自分で鑑定を依頼し、結果が有利であれば証拠提出、不利ならば何もしないという対応も可能ですが、裁判所の鑑定では、結果が裁判官に伝わります。

不利な結果が出てしまうリスクも受け入れる覚悟が必要です。

 

 

遺留分と不動産鑑定の裁判事例

遺言の遺言執行者の子からの相談でした。

被相続人は、内縁関係の女性を遺言執行者として指名。内妻の子への遺贈をしています。

被相続人の法定相続人は父のみ。父から遺留分請求がされたという経緯です。

裁判を起こされたということで依頼を受けました。

 

遺留分侵害額と不動産評価額

不動産の評価額が争点となりました。

原告提出の査定書が約1700万円、

被告が不動産業者に対して査定を依頼したところ、査定額は約1000万円と、大きな開きがありました。

原告査定は机上査定であるのに対して、被告側の査定書は、不動産業者の担当者に現地に来てもらい建物の内見もしたうえで作成されたものであるから、より信用性が高いと主張しています。

特に、本件建物内では、ペット(犬・猫)を屋内飼育していたため、臭いや傷が認められるなどの問題があり、販売にあたってはフルリフォームが必要になると指摘されています。机上査定では出てこない指摘事項といえるでしょう。


 

遺留分と消極財産

被相続人は内妻から、金500万円を借入れたとのことでした。

500万円の借入金債務は相続債務にあたると主張しています。

また、被相続人は内妻に対し、被相続人の女性問題に関する解決金として金160万円を支払うことを約し、その旨の誓約書を作成するとともに、同日、公証人による認証が行われていました。

これも相続債務にあたると主張しています。

この500万円に対しては使途等を明確にするよう求められました。

不動産を購入するにあたり、被相続人には十分な自己資金がなかったため、500万円を貸付けることになった経緯を説明しています。

500万円は被相続人に手渡し、被相続人もいったん預金口座に入金することなく現金で支払を行ったため、500万円の入出金が記録された預金通帳等は存在しない点が、こちらには不利な点でした。


遺留分侵害額の主張

遺留分侵害額については、相続財産の評価によって変わります。

今回、被告側の主張をもとに算出すると、

積極財産の合計約1080万円から消極財産の合計690万円を控除した額、390万円程度であり、これが遺留分算定の基礎となる財産額となると主張しました。


原告の個別的遺留分の割合は3分の1。

そこで、約130万円が、原告の遺留分額と主張しました。

原告は、被相続人名義の預金口座を管理していたところ、一部受領があったため、これを控除した金額が、遺留分侵害額であると主張しています。

 

また、原告は被相続人名義の預金口座を管理していたところ、被相続人の生前に数十万円の出金を行っており、その使途は不明でした。
被相続人は原告に対し不当利得返還請求権を有し、被告は遺贈により同請求権を取得したものとも認められます。

これも控除すべきと主張しています。

 

家族葬儀費用の控除

原告と、被相続人の内妻との間での債権債務も問題になりました。

親族の葬儀に関し、金350万円の債務があり、これを債権譲渡しているため、相殺により控除されるとの主張でした。

こちらは債権の発生自体を争われています。

 

 

解決金債務と消滅時効

原告は、解決金債務について、消滅時効の援用を主張
しかし、原告は時効援用権者ではないと反論しました。

被相続人の内妻に対する解決金債務は、被相続人の公正証書遺言により、包括受遺者である被告に承継されました。したがって、被告については、時効の完成によって直接利益を受ける者として、時効の援用権者にあたることは明らかです。

他方、原告が解決金債務の時効完成によって受ける利益は、相続債務が減少する結果、遺留分侵害額の算定が有利になるという事実上のものに過ぎません。判例が後順位抵当権者による先順位抵当権の被担保債権の消滅時効援用を否定し(最判平成11年10月21日)、その理由として、後順位抵当権者が受ける利益は抵当権の順位上昇によってもたらされる反射的なものに過ぎない点を挙げていることにも照らせば、原告は時効完成により直接利益を受ける者にはあたらないというべきであると主張しています。

 

鑑定申立の採用

不動産の評価について、原告から鑑定申立がされました。

裁判所の方で不動産鑑定士を選出。利害関係のチェックが入りました。

鑑定時に、建物の内覧が可能か、意向の確認が入りました。

裁判所では、後々疑義が出ないように、双方の代理人が立会うケースが多いとの指摘がされ、立会により実施。

鑑定結果としては、原告主張の金額よりは下がり、被告主張の金額よりは上がったという中間値の評価額が出されました。どちらかといえば、被告主張の金額に近い評価額となっており、申立をした原告としては納得しにくい金額だったかもしれません。

不動産の鑑定額が提示されたことで、裁判所からの和解勧告がされました。当事者間の関係もあり、和解による解決が望ましいとの考えが示されました。

また、裁判官から具体的な和解金額が提示されました。

 

鑑定結果を踏まえて依頼者が納得する金額で、訴訟上の和解が成立しています。

2年近くの期間がかかっています。

請求額からは250万円程度の減額での支払和解が成立しています。




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