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FAQよくある質問

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FAQ(よくある質問)

 

Q.インプラント代金を返還しない条項は有効?

インプラントに限らず、ですが、代金を返還しない条項は、消費者契約法で無効にされることもあります。

今回も、それが争われた津地方裁判所四日市支部令和2年8月31日判決を紹介します。

契約後、患者が死亡して、施術ができなくなったのに返還しないという条項が無効と判断されました。

 

 

事案の概要

医療法人が被告。

相続人が原告の事件です。

被相続人が、受信していた医療法人である被告との間でインプラントの施術を内容とする治療契約を締結。

施術代金を先に支払っていました。

しかし、その後、被相続人が死亡。

治療が行われる前に契約が終了してしまいました。

そこで、相続人が、代金の返還請求をしたものです。

被告の上記代金受領は法律上の原因がないことを主張。かつ、被告は被相続人のインプラント施術の適応がないことを認識しており、上記代金受領が法律上の原因を欠くものであることを知っていたとして、原告らがそれぞれ相続した被相続人の不当利得返還請求をしたという裁判です。

インプラント返金

 

治療費は返還できないという条項

医療法人は、治療費を返還しないという条項があるから、返還義務はないと争いました。

被相続人が署名した「自費治療費承諾書」の欄外には、 「※患者さんの都合により治療を中断された場合、原則として治療費の返還はいたしかねます。」と不動文字で記載されていました。

この不返還条項を根拠に返還を拒絶。

原告らは、このような不返還条項は、消費者契約法10条により無効であると主張して、争いました。

 

消費者契約法10条後段

「・・・その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。」

 

裁判所は返還を命じる

裁判所は、原告の主張を認め、治療が終わってない部分の代金について返還を命じました。

本件不返還条項は、本件のように、インプラント埋入手術等が行われることなく終了しても、治療費全額の返還をしないというものであり、治療費が本来治療に対する対価であることを踏まえると、治療費の対価性を損なう規定となっていると指摘しました。


また、本件契約は身体的侵襲を伴うインプラント術に関する契約であり、その治療は患者の意思に基づくものでなければならないところ、本件不返還条項によって、患者が治療を中断したり、転院する機会を制限しうるものであるともしました。

これに加え、本件不返還条項は、本件承諾書に不動文字で記載され、被告における自費治療の契約の際の承諾書に定型的に記載されているもので点を指摘。
被相続人と被告との間で個別に交渉され合意されたものとはいえないともしています。

結論として、本件不返還条項は、民法1条2項の規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるといえ、消費者契約法10条後段により、無効としました。

 

裁判所が理由とした点

  • 対価性が損なわれている
  • 身体契約なのに中断できない
  • 不動文字で個別交渉がない

 

インプラント代金の返還額

既にした履行の分を超える分について、法律上の原因のない利得であるとしたものです。

被告に対し、99万2250円の返還を命じています。

 

歯科医院は運用変更したほうが良いかも

インプラントを取り扱っている多くの歯科医院で、同じような対応をしているのではないでしょうか。

全体を無効とされてしまうリスクがありますので、判決理由を参考に、契約内容を見直しておいた方が良いといえそうです。

 

消費者契約法で契約条項を無効にできる最高裁の基準

消費者契約法10条で契約条項を無効にできるのは、どういうときなのか、最高裁が平成23年に基準を出しています。賃貸借契約の更新料条項が争われた事例です。

 

消費者契約法10条は、消費者契約の条項を無効とする要件として、当該条項が、民法1条2項に規定する基本原則、すなわち信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであることをも定めるところ、当該条項が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるか否かは、消費者契約法の趣旨、目的(同法1条参照)に照らし、当該条項の性質、契約が成立するに至った経緯、消費者と事業者との間に存する情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の事情を総合考量して判断されるべきであるとの基準です。

このあたりで、不動文字の点などが考慮要素になってきたものといえるでしょう。

 

 

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