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ゴルフ場でボールが当たった場合の損害賠償は?

ゴルフを含めたスポーツでは、プレーヤーに損害が発生することもあり、損害賠償請求訴訟が起こされ、過失の有無や過失割合が問題になる事例も多いです。

今回は、双方のプレーヤーに過失を認めた東京地方裁判所平成29年10月26日判決の紹介です。

 

事案の概要

ゴルフ場において被告の打ったゴルフボールが原告の左耳に当たった事故。

原告が、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償請求をした事案です。

原告及び被告は、平成24年12月6日、静岡県伊豆の国市所在のゴルフ場に設けられたコースにおいて、ゴルフをしていました。

同日午後1時30分頃、同コースの15番ホールにおいて、被告の打ったゴルフボールが原告の左耳に当たる事故が発生。原告は、これにより傷害(左耳介打撲・左外傷性感音難聴等)を負いました。

 

被告が第1打を右側の谷に打ち込んだことから、被告はゴルフボールを探し、原告らはカートを止めて被告を待っていたが、やがて、原告らはカートを利用して前方に移動。

 

その後、被告は、ゴルフボールを見失ったため、フェアウェイ上に新しいゴルフボールを置いて打つことにしたが、原告らは、被告の前方30ないし40ヤードの距離にいて、第2打の準備をし、被告の様子には注意を払っていませんでした。

被告は、原告らが前方にいることは認識したものの、原告らが安全を確保することのできる状態にあることを確認せずに前方に向けてゴルフボールを打ち、そのボールが狙った方向よりも左にそれて原告らのいる方向に向かったが、「フォアー」などと叫ぶことをしませんでした。

 

事故当時、被告は、ゴルフの初心者。

原告も被告の技量をある程度把握していました。


事故当日、本件ホールに至る前のホールにおいて、被告がコース外に打ち込んだゴルフボールを見失い、そのままそのホールを棄権したことがありました。

 

被告に過失はあるのか

主な争点として、被告に過失があるのかという点が挙げられました。


原告は、本件事故の際、被告には、前方30ないし40ヤードの距離にいる原告らが安全を確保することのできる状態にあることを確認せずに前方に向けてゴルフボールを打った過失があるほか、「フォアー」などと叫んで原告らに注意を促すことをしなかった過失があると主張。


同伴者の全員が打ち終わるまでその前に出てはいけないというマナーがあることは争わないが、原告は、本件ホールに至る前のホールにおいても被告がコース外に打ち込んだゴルフボールを見失い、そのままそのホールを棄権したことがあったことから、被告が本件ホールを棄権するものと考え、同伴者の全員が打ち終わったと判断して前方に移動したのであり、上記マナーに反した行動はしていないと主張しました。


これに対し、被告は、ゴルフの初心者であり、ベテランである原告らに導かれ、追随する形でゴルフをしていたが、原告は、同伴者の全員が打ち終わるまでその前に出てはいけないというゴルフの基本的なルール、マナーに反し、被告を待たずに前方に移動し、被告の様子に注意を払っていなかったのであり、本件事故は、このような原告の危険な行動が招いたものであると主張。


また、自らゴルフボールを打った直後に大声を発するにはある程度の経験が必要であり、ゴルフの初心者であった被告が「フォアー」などと叫ぶことはできなかったし、原告が被告の前方30ないし40ヤードの距離にいたことからすれば、仮に被告が「フォアー」などと叫んでいても、本件事故を回避することは困難であったと主張しました。

被告は、本件事故は、原告の基本的なルール、マナー違反が招いたものであり、このような原告の過失の割合は8割を下らないとも主張しました。

 

原告にも被告にも過失があるとの認定

 

裁判所は、本件事故の際、ゴルフの初心者である被告が第1打を右側の谷に打ち込み、ゴルフボールを探していたにもかかわらず、原告は、被告の前方に移動して第2打の準備をし、被告の様子には注意を払っていなかったというのであるから、原告には、安全の確保を怠った過失があるというべきであるとしました。
原告は、被告が本件ホールを棄権するものと考えて前方に移動した旨主張するが、本件ホールに至る前のホールにおいて被告がコース外に打ち込んだゴルフボールを見失い、そのままそのホールを棄権したことがあったからといって、直ちに、被告が本件ホールを棄権するものと信ずるについて相当の理由があったということはできないし、他にこれを認めるに足りる事情もないから、上記認定が左右されるものではないと指摘。


本件事故の際、被告は、原告らが前方にいることは認識したものの、前方30ないし40ヤードの距離にいる原告らが安全を確保することのできる状態にあることを確認せずに前方に向けてゴルフボールを打ったというのであるから、被告には、安全の確認を怠った過失があるというべきであり、原告に安全の確保を怠った過失があるからといって、この認定が左右されるものではないとしました。


被告は、本件事故の際にゴルフボールが予期せず左にそれたとして、本件事故の発生を予見することができなかった旨主張するが、本件事故の前にも被告の打ったゴルフボールが狙った方向からそれることが複数回あり、被告が本件事故の発生を予見することができたことは明らかであると指摘。

 

「ファー」「フォアー」と叫べなかった点は過失ではない


本件事故の際、被告は、ゴルフボールを打ってから「フォアー」などと叫ぶことをしなかったというのであるが、原告との距離が30ないし40ヤードであったことに鑑みると、被告が「フォアー」などと叫んでいれば原告がゴルフボールを避けることができたとまでは認められないから、被告に、ゴルフボールを打ってから原告に注意を促さなかった過失があるということはできないとしています。

 

原告の過失及び被告の過失は、いずれも基本的な注意を怠ったものといわざるを得ないが、被告がゴルフの初心者であったとしても、本件事故の際に原告らが被告の前方30ないし40ヤードの距離にいて被告の様子に注意を払っていなかったことからすれば、被告がこれを認識し、原告らに声を掛けるなどすることも容易であったというべきであり、このようなことをも併せ考えると、原告の過失割合を4割、被告の過失割合を6割とみるのが相当であるとしました。

 

ゴルフボールの損害について

原告は、後遺障害が残ったとの主張でした。

しかし、裁判所は、原告の症状固定以後の純音による左の聴力レベルの測定結果は30dB程度であり、このような測定結果をもって、原告の後遺障害が労働者災害補償保険法施行規則別表第1所定の後遺障害等級に相当するものとまで認めることはできないし、他にこれを認めるに足りる証拠もないと指摘


そして、本件事故による原告の傷害の程度、治療経過、後遺障害の程度等の本件に現れた一切の事情を総合勘案すると、傷害による慰謝料として50万円、後遺障害による慰謝料として70万円の各支払を命ずるのが相当であるとしました。

逸失利益については、原告は、本件事故当時、無職であったというのであるし、また、原告が就労の意思を有していたと認めるに足りる証拠もないから、逸失利益を認めることはできないとして否定。

被告からは、原告が糖尿病にり患していたことによる素因減額の主張がされましたが、これは排斥。

 

上記過失割合による減額をして、損害額約106万円、弁護士費用11万円を加算した金額の支払を命じました。

 

 

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