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裁判例紹介

フランチャイズ勧誘と情報提供義務

フランチャイズが詐欺的商法だという相談は多いです。

勧誘内容によって詐欺と断定する裁判例もありますが、そこまでいかなくても情報提供義務違反により不法行為だとされるケースもあります。

今回、東京地方裁判所平成30年3月28日判決を紹介です。

 

 

事案の概要

原告らは、フランチャイズ契約をした加盟店。

被告は、住宅設備に表面処理(コーティング)を施す事業をフランチャイズの本部。

原告らは、被告との間で、フランチャイズ契約(加盟店契約)をしました。

本件事業は、被告が独自に開発した表面処理(コーティング)技術を、フローリング、窓、水回りなどの住宅設備に施すことで、表面処理(コーティング)剤による皮膜を作り傷や汚れから素材を守り美観と耐久性を向上させることなどを業務内容とするフランチャイズ事業でした。

被告では、加盟店を募集するために、ウェブサイトや雑誌の広告に加えて、被告本社での説明会のほかに、外部での起業者向けの説明会等を開催していました。そして、本件事業に興味を持ち被告の説明会に予約申込みをした者を対象として、被告本社で説明会を随時開催しており、通常、被告担当者が、参加者に対し、1対1で1時間半程度の枠をとって説明を行っていました。

 

被告が提携している起業者向けのウェブサイトでは、本件事業について、専門性が高く、粗利率90%も可能な高単価・高収益のビジネスであることが謳われていました。
また、被告自身が開設しているウェブサイトにおいても、同様に高単価・高収益のビジネスであることが謳われ、さらに「年商2000万円超えの加盟店オーナー続々誕生!」「驚異の利益率!なんと粗利は90%」の見出しが掲示。

原告らはそれぞれ加盟店契約を締結。

しかし、その後、加盟店契約の解除、取り消しをしています。

 

 

原告らの主張

契約締結の際、被告が情報提供義務に反して、契約締結の適否を的確に判断することができる情報を提供せず、かえって、虚偽の事実を告げて原告らを欺罔して加盟店契約を締結させたというもの。

被告に対し、情報提供義務違反の不法行為に基づき、加盟店契約に伴い支出した費用等相当額を損害賠償請求。

また、選択的に、詐欺を理由に加盟店契約を取り消したとして、不当利得返還請求権に基づいての請求もしています。

 

情報提供義務違反の主張

原告は、情報提供義務違反を主張。


開業後の売上に関し不正確な情報を提供したことを問題にしています。

加盟店の売上は本件事業の収支予測を検討する上で重要な情報であるところ、被告は、原告らに対し、開業後の売上に関する事情について、年商2000万円を超える加盟店オーナーが存在しないにもかかわらず、「年商2000万円超えの加盟店オーナー続々誕生!」と被告の加盟店が年間売上2000万円を達成しているとの客観的な事実に反する虚偽の説明をしていたと主張。

さらに、被告は、原告らに対して、加盟店の平均売上額及び平均売上額以下の加盟店の存在などの事情について一切説明をしていないなどとも主張。

 

この点に関し、被告は、本件事業について年商2000万円を超える加盟店オーナーが存在しなかったことは認めるものの、1か月の売上が200万円を超えた加盟店は実在し、そこから推計すれば売上が2000万円を超えるため、加盟希望者を募るためのキャッチフレーズとして「年商2000万円」という文言を用いたに過ぎないと反論。

 

しかし、原告らの実際の売上は、月に数万円、よくて数十万円という状態でした。

 

虚偽説明に関する主張

原告は、加盟店の廃業店舗数について虚偽の説明をしたとも主張。


加盟店の廃業店舗数は本件事業の収支予測を検討する上で重要な情報であるところ、被告の主張でも廃業店舗数は、原告2が説明会に参加した平成25年7月の時点で12店舗、原告1が説明会に参加した平成25年9月の時点で17店舗、原告3が説明会に参加した平成26年12月の時点で46店舗であったにもかかわらず、被告は、廃業店舗数について上記の通り説明せず、原告1には数店舗と説明し、原告2には0店舗と説明し、原告3には2店舗と虚偽の説明をしたとの主張です。

 

また、本件事業の粗利率について90%以上であると説明されているところ、本件各契約では、契約締結時にコーティングに必要な洗剤及び器材一式を購入しなければならず、実際には、これらの開業前に購入する初期セットに含まれる洗剤・器材の費用は含まれていなかったとされます。これを組み入れると、90%以上の粗利は出ず、この点の虚偽説明があったと主張しています。

 

さらに、開業後の加盟店支援について、営業活動をしなくても、被告からの紹介によって一定の売上を確保することができるかのような説明をしていたとの主張も。しかし、被告は、契約締結後に加盟店に配布した資料において、一月あたり300社という異常なほどの営業活動を要求するなど契約締結の前後で営業活動に関し全く異なる説明をしていたとの主張がされています。開業後も営業活動への同行や現場作業のサポートなど充実した支援を行う旨説明していたが、紹介もなく、実際にはこれらの支援はほとんど行われなかったとして、虚偽説明の主張に含まれています。

原告のうち1名は、研修時にこの話を聞き、開業を断念していました。


これに対し、被告は、原告らに対し、約20%という廃業率を示して説明した、初期セットを含めた開業費用については別途説明した、加盟店自身の営業努力がなければ売上が伸びず事業の成功はないことを繰り返し伝えたなどと反論し、情報提供義務に違反していないと主張しました。

 

裁判所による情報提供義務違反の認定

裁判所は、情報提供義務違反を認定しました。

前提として、新規に契約を募集するフランチャイザーは、フランチャイジーとなろうとする者に、契約の締結にあたり的確な判断ができるように事業内容について客観的かつ正確な情報を提供すべき信義則上の義務があると解されるところ、フランチャイズ事業の収益に関する情報は、売上の予測が契約締結の判断において重要な動機となるものであることからすると、特に客観的かつ正確なものを提供することが求められているというべきであるとしています。

被告担当者の説明は、原告が本件事業の収支を予測する上で不十分又は不正確なものであったというべきあると認定。

担当者が原告に対する説明において、営業活動の要否について甘言を弄していたことがうかがわれるともしています。

被告は、前記義務に違反して、年商2000万円を越える加盟店が存在しないにもかかわらず本件見出しによって申し込みを誘引するとともに、その説明において本件事業が高単価、高収益な事業であると誤認させた上で、被告本部からの紹介で十分な売上を上げられるかのような不正確な収支情報を提供し原告をしてその旨誤信させて、実際には店舗数の拡大を図りながら少数精鋭を謳って契約の締結を煽り、契約を締結させたというべきであるとしました。

 

被告の反論に対しては、フランチャイズ事業に収益に関する情報は、売上の予測が契約締結の判断において重要な動機となるものであることからすると、特に客観的かつ正確なものの提供が求められているとして排斥しています。

本件見出しは、「年商2000万円の加盟店オーナー続々誕生!」と年単位の売上であることが強調されており、仮に、月額200万円の売上がある加盟店が存在し、これから推計すれば年商が2000万円になる加盟店が存在するとしても、上記見出しが虚偽ではないとする被告の主張は、詭弁以外の何ものでもないと一蹴。

 

 


フランチャイズと詐欺取消

被告は、本部による人的サポート及び仕事の紹介といった加盟店の売上をサポートする体制が充実したものといえず、加盟店の廃業率もわずかではないことを認識しながら、原告らに対し虚偽の事実を告げ、その旨誤信させて本件各契約を締結させたものであり、詐欺であると主張。契約の取消が認められると主張しています。

 

 

フランチャイズ詐欺の損害額

フランチャイズ契約が詐欺や説明義務違反で違法性を帯びるとして、その損害はどのように算出されるのでしょうか。

原告らは、以下の損害が発生したと主張しました。

まず、契約時に払った加盟金。

契約に基づき払った保証金や研修費。

業務に必要とされた機材等の売買代金。

既払いロイヤリティ。

本件事業の業務のための自動車購入額と売却額の差額や、その関連費用。

事業用携帯電話料金。

弁護士費用。

 

被告は損害について争うとともに、仮に不法行為があるとしても、過失相殺がされるべきであると主張しました。

また、売上を上げた分については、損害から控除すべきであると主張しました。

細かい金額としては、被告は原告らに対し債権を持っているので、相殺の主張もされました。

 

裁判所は、契約金、機材等の購入費用、事業用車両の売却差額などは損害と認定。

自動車関連費用としての駐車場代、自動車保険料、携帯電話に関する費用については、出捐に相当する対価を得ていたとして否定。ロイヤリティ金額も、これを上回る売上を得るなど対価を得ていたことから損害としては否定。

 

フランチャイズ詐欺と損益相殺、過失相殺

損益相殺の主張については、原告らは、被告による違法な勧誘により本件各契約を締結し本件事業に従事したものであり、違法な勧誘を受けなければ、その間、上記売上を下回らない収入を得られたというべきであるから、上記売上を本件損害から控除するのは相当ではなく、被告の主張は採用することができないとして排斥。

過失相殺の主張については、被告による勧誘態様は、単に情報提供義務に違反するものにとどまらず、原告らを積極的に欺罔又は誤信させる意図の下行われた故意に等しい不法行為であるといわざるをえないとし、悪質なものであることから、損害の公平な分担という見地からは、過失相殺を行うのは相当でないとして排斥しています。

 

フランチャイズ勧誘問題でお困りの方は参考にしてみてください。

 

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