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弁護士法23条照会に対する拒絶

証拠収集や相手の特定のため、弁護士会を通じた23条照会という方法を使うことが多いです。

ただ、相手の団体がこれを拒絶することもあります。

このような拒絶が合法なのか、争われた事例があります。

最高裁平成30年12月21日第二小法廷判決です。

 

 

事案の概要

原告は愛知県弁護士会。

被告は、日本郵便株式会社という事件でした。

 

弁護士会が弁護士法23条の2第2項に基づき照会をかけました。

被告(厳密には承継前の話)が、これを拒絶。

そこで、弁護士会は本件照会に対する報告拒絶を理由として、不法行為に基づく損害賠償請求訴訟。

その後、報告義務があることの確認を求める訴えを予備的に追加。

 

第一次上告審とされる最判平成28年10月18日では、損害賠償請求を棄却したものの、本件確認請求の審理のため事件を名古屋高裁に差し戻していました。

差戻後の名古屋高裁では、確認請求が認容されれば、被告が報告義務を任意に履行することが期待できること、認容判決に従って報告をすれば、第三者から報告が違法と主張されても損害賠償請求を拒むことができること、などから、本件照会についての紛争は、判決によって解決する可能性が高いとして、確認請求につき確認の利益を認め、一部を認容しました。

不服とした被告が上告受理申立てをしました。


最高裁判所の判断


原判決破棄、報告義務確認請求に係る訴えを却下。

 

まず、原審の判断を確認。

原審は、上記の確認請求に係る訴えの確認の利益について次のとおり判断し、上記訴えが適法であることを前提として、本件確認請求の一部を認容し、その余を棄却したとして、結論部分を確認。

すなわち、本件確認請求が認容されれば、上告人が報告義務を任意に履行することが期待できること、上告人は、認容判決に従って報告をすれば、第三者から当該報告が違法であるとして損害賠償を請求されたとしても、違法性がないことを理由にこれを拒むことができること、被上告人は、本件確認請求が棄却されれば本件照会と同一事項について再度の照会をしないと明言していることからすれば、本件照会についての報告義務の存否に関する紛争は、判決によって収束する可能性が高いと認められるという理由です。

しかし、最高裁は、原審の判断には、法令の解釈を誤る違法があるとしました。

 

最高裁の理論

弁護士法23条の2第2項に基づく照会の制度は、弁護士の職務の公共性に鑑み、公務所のみならず広く公私の団体に対して広範な事項の報告を求めることができるものとして設けられたことなどからすれば、弁護士会に23条照会の相手方に対して報告を求める私法上の権利を付与したものとはいえず、23条照会に対する報告を拒絶する行為は、23条照会をした弁護士会の法律上保護される利益を侵害するものとして当該弁護士会に対する不法行為を構成することはないとしました。

これに加え、23条照会に対する報告の拒絶について制裁の定めがないこと等にも照らすと、23条照会の相手方に報告義務があることを確認する判決が確定しても、弁護士会は、専ら当該相手方による任意の履行を期待するほかはないといえる点も指摘。

そして、確認の利益は、確認判決を求める法律上の利益であるところ、上記に照らせば、23条照会の相手方に報告義務があることを確認する判決の効力は、上記報告義務に関する法律上の紛争の解決に資するものとはいえないから、23条照会をした弁護士会に、上記判決を求める法律上の利益はないというべきであるとしました。

本件確認請求を認容する判決がされれば上告人が報告義務を任意に履行することが期待できることなどの原審の指摘する事情は、いずれも判決の効力と異なる事実上の影響にすぎず、上記の判断を左右するものではないとして、事実上の影響では訴えの利益がないという内容。

これにより、23条照会をした弁護士会が、その相手方に対し、当該照会に対する報告をする義務があることの確認を求める訴えは、確認の利益を欠くものとして不適法であるというべきであるとされました。

裁判官全員一致の意見でした

 

 

23条照会とは

弁護士法23条照会は、弁護士が、所属弁護士会に、受任事件について「必要な事項の報告」を公務所又は公私の団体に対し求めるよう申し出をして、弁護士会から照会先に報告を求める制度です。

詐欺事件などでは電話番号や預金口座から持ち主を特定する際に利用したりします。

 

照会先は、正当な理由がない限り、照会された事項について報告をすべきとされているのですが、報告を強制する具体的手段や違反した場合の制裁の定めはありません。

そのため、業者によってはこれを拒絶するという態様もあります。

 

このような拒絶はおかしいとして訴えを起こす弁護士もいました。

本件は、照会の主体である弁護士会が原告となったものです。

 

確認の利益

裁判については、訴えの利益がなければならず、確認の訴えについては、確認の利益が必要です。

確認の利益の定義としては、判決をもって法律関係の存否を確定することが、その法律関係に関する法律上の紛争を解
決し、当事者の法律上の地位の不安、危険を除去するために必要かつ適切である場合とされています。

法律上の利益であることが必要です。

今回の判決では、事実上の影響程度であり、これでは不足するという内容です。

 

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