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裁判例紹介

クーデター解任と損害賠償請求

会社の支配権紛争で、損害賠償請求が問題になるケースもあります。

今回、これが争われた富山地裁高岡支部平成31年4月17日判決の紹介です。

 

事案の概要

被告は、食料品の製造・加工・販売等を目的とする株式会社。

原告は、被告会社の代表取締役を約13年にわたり務めていました。

ところが、平成30年5月、被告会社のの取締役会で、1名の取締役から代表取締役の原告の解職緊急動議が提出。

原告以外の過半数の取締役の賛成により解職決議が成立。

直ちに、新代表取締役が選定されました。

クーデターのような形です。

似たような事件は、多くの会社で起きており、書籍化されている話もあります。

 

これを受け、原告は、本件解職決議は私怨に基づき濫用的になされたものだと主張。

主位的に地位確認および解職・選定決議の無効確認、また予備的に民法651条2項に基づき任期満了前の不利な時期になされた解職決議であるとして、代表取締役と平取締役との報酬の差額分の一部につき損害賠償を求めて、訴えを提起したという経緯です。

 

裁判所の判断

請求棄却。


一般に、代表取締役選定・解職を含む取締役会決議は、経営判断に属する事項であり、当該会社の取締役会の裁量に委ねられる事項であるから、手続に重大な暇疵がなく、それが裁量権の逸脱・濫用と認められない限りは、有効とみるのが相当であるとしています。


けだし、会社の経営判断は、会社の継続性を前提に、長期的な視点に立って、会社を持続的に成長させ、高い利益をあげるためにいかなる経営戦略、投資計画、組織運営などを立案・実行していくかということに関わるものであり、そこには、将来の不確実なリスクも当然に含まれるからです。

そうした判断は、株主総会により選任され、会社の内情や業界、企業統治に精通した取締役で構成される取締役会の裁量に委ねるのが、会社と株主の利益にかなうものであり、最も適切と考えられるからだとしました。

平成30年5月11日に行われた本件取締役会における本件解職決議の手続に重大な暇疵は認められず、また、緊急動議でなされた代表取締役の解職理由は、要するに、被告会社を取り巻く環境下において、長期化している代表取締役の世代交代を実現するのが今後の企業運営に最も適するというものであり、その当否はともかく、その理由は経営判断に関わるものであり、その判断が取締役会の裁量権を逸脱するものとは認められないとしました。

主位的主張については、このような理由で棄却。

 

解任されたことの損害賠償請求は?

予備的請求であった代表取締役解職による損害賠償請求権についても棄却されています。

 

代表取締役の解職の手続に、委任解除の規定である民法651条が適用されるかは一つの問題ではあるが、仮にその適用があるとしても、同条2項における「相手方に不利な時期」とは、委任に係る事務処理自体との関連において不利な時期をいうものと解され、また、同項にいう損害とは、解除の時期の不当なことによる損害をいうものと解されると解釈しています。

報酬を支払う旨の約定のある有償の委任契約においては、解除により将来の報酬債権が生じないことは当然であって、委任は各当事者がいつでも解除することができるものである以上、受任者が将来得べかりし報酬は、当然には解除の時期の不当なことによる損害として上記損害に含まれるものではないとしました。

 

 

取締役会により解職

取締役会は、代表取締役をいつでも解職できるとされます。

そのため、複数の取締役が意思疎通をして、代表取締役を解職する動きに出ることがあります。

俗にクーデターと呼ばれる行為です。

このような解職を受けた元代表取締役は、これを無効化するため、法的に取締役会決議の手続的暇疵を主張することは多いです。手続き的に取締役会の決議が無効だから、まだ自分が代表取締役であるという主張です。

これに対して、本件にように、解任がその目的などから不当だと主張することは少ないです。

こちらは、なかなか通りにくい主張でもあります。

 

経営判断の原則とは

本判決でも強調されているように、会社には、経営判断の原則があります。

取締役が任務を懈怠していたかどうか争われるケースで、この原則が使われること多いです。

取締役が行った経営判断については、基本的に尊重し、その 「過程」と「内容」の双方について著しい不合理性があるかをチェックするという原則です。


本件ではこのような視点から、重大な手続的暇疵がないことを確認したうえ、裁量権の逸脱・濫用もないとして、経営判断の範囲内として有効としました。

 

本件で、原告が主張した内容は、取締役間の派閥争いの話であったことから、裁量権の逸脱のような違法性はないとされたものです。

 


代表取締役解任と民法651条2項

会社と代表取締役の関係を、復委任のようなものと捉えると、民法651条を適用する余地はありmそうです。

これを適用する場合、代表取締役にとって、不利な時期に解任されたからといって、将来の報酬が損害といえるかどうかが問題になります。

この点、判例は、ここの損害には、将来の報酬のような逸失利益利益は含まれないとしています。

委任契約というのは、信頼関係を基礎とし、いつでも解除できることを前提にした契約のため、解除後の報酬までは損害に含まれないとされています。

突然の解任によって負担することになった出費があった場合には、損害として認められる可能性はありますが、本件では、そのような請求はされていません。

 

会社の支配権に関する紛争相談も多いです。

 

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