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自己破産ケース紹介

 

相模原市での自己破産事例

40代男性

40代 / 男性 / 会社代表、アルバイト

借入の理由:会社の保証、事業資金、税金滞納


相模原市で事業を営んでいた40代男性のケースです。

三井住友銀行やみずほ銀行などの都市銀行だけでなく、大手信販会社のオリエントコーポレーションや税金の滞納などで8名に対し、負債総額4750万円の借金が払えずに相談に来ました。

この記事は、

  • 会社の経営が行き詰まっている
  • 法人破産と個人破産を同時にするか検討している

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.6.14

会社設立・創業資金の借入

10年以上前から自営業で中古車の買取・販売を行っていました。


当初は個人事業で行っていましたが、顧客からの信用度を上げるために、株式会社を設立。個人事業からの法人化したというものでした。


設立して半年程して、銀行から創業資金を借り入れました。


それまで自宅を本店としていたのですが、この資金を利用して事務所兼店舗を借りることにしました。その費用のための資金とのことでした。
月々の返済額は10万円程度でしたが、当初は売上も順調だったので、滞りなく返済ができていました。

個人事業が軌道に乗って法人化した場合には、よほどのことがない限り、当初は順調な経営ができるはずです。

仕入れ資金で融資拡大

数ヶ月後には、銀行から追加融資を受けました。

これは特殊車両を購入するための資金でした。

これにより、返済額は月々20万円程度と前回より月の返済額は増えてしまいました。
ですが、当時の年商が借入金の10倍はあり、粗利も借入金の2倍はあったので何とか弁済はできました。

事業の性質上、仕入れ資金も高額になり、これを借入金で補うと、在庫が増えた場合に、資金繰りが苦しくなります。

そのため、税理士等と相談し、会計上のシミュレーションをしながら経営をしないと、資金ショートするリスクが高くなります。

信金からの度重なる借入

現金は車両を仕入れると売れるまで車両購入資金として固定されてしまいます。


さらに、自動車ローンが残っている車両を買い取る場合、名義変更のために残った自動車ローン分を会社で支払い、その車が売れるまでの間は自動車ローン分を立て替えなければなりませんでした。

そうこうして、キャッシュフローが悪化しました。


そのため、今度は信用金庫から運転資金を借り入れました。
その後何度か信用金庫から同額を事業資金として借り入れました。


こうして、借金頼みの経営になってしまうのは、まずい傾向です。自社のコントロール権が奪われていっている状態です。

どの程度の、在庫処分ができれば、キャッシュが足りるのか見えなくなってしまっている状態です。

個人の借入れを事業資金へ

以前までは中古車のみでしたが、新車も取り扱うようになりました。
新車のオーダーが増えたので、売上は以前よりも増えました。


でも、新車の利幅は中古車と比べて3分の1以下であることが多かったので、利益が少なくなってきました。
そのため、返済が厳しくなってきて、個人で借り入れ、まとまったお金を事業資金に投入するようになりました。

売上は増えても、利益率が下がるという状態。

そこで資金が必要なので、代表者個人の借入により事業資金を補ってしまう状態です。

法人破産になってしまう多くのケースでは、このように、代表者の個人借入が増えていきます。

信金から銀行へ借り換え

信金に対する債務がかなりの額になってしまい、返済額が毎月65万円程度にまでなっていました。
月々の返済額を下げ、かつ追加の借入れをするために、別の銀行で借り換えました。
月々の返済額は50万円まで下げることができました。

額面上は事業資金が借りられつつ毎月の負担額は減るという良いことづくめでした。


ですが、保証協会への保証料というものが発生し、追加の借入分の半分程度は差し引かれてしまったので、思ったほど運転資金が確保できませんでした。借り換え分でも保証料負担が発生したため、そこまでメリットがなく、個人借入も含めると、資金繰りは厳しいままであったといえます。


利幅の少ない状況も改善できず、このままやっていても将来の見通しが立たない状況に。

このまま営業をし続けても赤字が増えるだけと気付き、事務所へ相談に来られました。


保証債務も多く、会社破産と同時に自己破産申立をすることとなりました。

会社と同じ破産管財人が付くことになります。

ギャンブルなどの免責不許可事由

免責不許可事由の可能性があるのが多い項目が、浪費やギャンブルです。


この相談者もギャンブルをしていました。


パチンコ、ボートレース、サッカーくじ。


ただ、全て収入の範囲内で購入しており、ギャンブルのために借入をしたことはありませんでした。

破産法では、ギャンブルにより著しい財産減少や過大な債務負担がある場合には、免責不許可事由とされます。金額については、当時の収入や資産が判断要素とされます。


今回は、金額も少額かつ回数も少なかったため、不許可事由にはあたらない、仮に不許可事由にあたるとしても裁量免責が相当ではないかと意見を提出。
破産管財人や裁判所に真摯に対応したため、免責許可が下りました。

サッカーくじとはtotoやBIGと呼ばれるものです。
これ以外にもナンバーズやロトなどの宝くじも不許可事由に該当する恐れがあります。

ギャンブルというとパチンコ、スロット、競馬などを思い浮かべる人が大半です。
ですが、夢のある宝くじもギャンブルです。
宝くじくらい、1回くらい、と思うかもしれませんが、隠し事はいけません。


免責不許可事由に該当したとしても、きちんと包み隠さず報告することで裁量免責を得ることも可能です。

税金滞納

この相談者は約5年間に渡って住民税と国民健康保険料を滞納していました。


事業設立し、順風満帆だった頃は納税していたようですが、次第に事業に陰りが見えはじた頃から支払っていなかったようです。
延滞金も含めて滞納額は総額200万円弱もありました。


税金に関しては、自己破産を申し立てても免責されるものではなく、支払義務は残ります
そのため、免責許可決定が出ましたが、これらの税金は納めていくことになります。


税金は、通常の借金よりも簡単に差押に動けるので、リスクが高い権利です。本来であれば、借入金の返済よりも優先しなければならない債権ですが、会社経営をしていると、つい後回しにしてしまう人も多いです。

会社経営で、このような滞納が発生してしまう場合には、そもそも役員報酬の設定が適正でなかったということもあります。納税まで考えての役員報酬設定を税理士と相談したほうが良かったといえます。


会社と代表者の同時で自己破産をご検討の方、自己破産のご相談は無料で受け付けています。

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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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