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他人を許せない人との交渉

他人を許せないという感情と、そのような相手への交渉の注意点について解説します。

 

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.28

動画での解説はこちら。

 

 

他人を許せないという感情

他人を許せないという感情についての話です。

『人は、なぜ他人を許せないのか』(中野信子著)という本を切り口にした話です。

著者の中野信子さんは、『サイコパス』や『シャーデンフロイデ』など、人の特性、感情についての書籍も多い脳科学者です。

 

感情的に動いてしまう話なお、人を分類して、それを脳の仕組みから解説するという本が多い印象です。

今回は、そのなかで、他人を許せないという感情です。

このような感情を自分で持っていて苦しんでしまう人、また、このような人を相手にした交渉について役立つ話をしましょう。

 

他人を許せないという感情は、自分に利害がないのに、怒りの感情を止められない状態です。

例えば、芸能人の不倫報道を見て、許せないと怒るような感情。

自分が不倫されたわけでもないのに、怒ってしまうケースですね。

 

そういう怒りの感情で、逆にに苦しんだり、ストレスを抱えてしまってる人もいます。

そのような場合に、脳の仕組みから考えてみたほうがいいのではないかという話です。

 

正義中毒とは?

本の中では、この他人を許せないという感情を、正義中毒と呼んでいます。

自分のなかの正義感、自分の集団にとっての正義感を重視し、そこから外れた人を敵とみなし叩くことを止められなくなる症状です。

正義感を振りかざし、他人を叩くことに快感を覚えてしまうのです。

他人を叩くことに快感を覚える場合、その行為により脳内では、ドーパミンという脳内物質が出ます。

ギャンブルなどと同じ構造になります。

この行為に依存しやすくなり、依存症のようになります。

そのため、正義中毒と表現されています。

 

自分の集団を絶対視

『シャーデンフロイデ』の本でも同じような話がありました。

シャーデンフロイデは、他人の不幸は蜜の味と、人の不幸を喜ぶ妬みの感情。

これも、自分の集団から外れた人に対しての感情です。

集団から外れた行為に制裁が行くことで、自分が集団に帰属しているのだと実感できるのです。

遺伝子的な話として、日本は島国で自然災害も多く、集団生活を求められた、そのため集団に帰属しやすい性格が他の国よりも強いのではないかという仮説も出されています。

このように、自分たちの集団から外れる行為を、正義に反する、正義の制裁を加えることに快楽を覚えるようになっているのだろうという話です。

他人を許せないという感情は、自分の集団と関係する遺伝子的なものだという話です。

 

正義中毒の対策

このような正義中毒への対策としては、どうすればよいのでしょうか。

まずは、この仕組みを知ることが大事です。

 

正義中毒の人がつい口に出してしまう言葉が、バカだそうです。

価値観に合わない人を、ついバカと言ってしまうような人は気をつけておきましょう。

人間というのは理性的に行動しなきゃいけないと思っていても、直感を優先してしまう性質があるのですが、少しで意識することで行動を変えられるかもしれません。

 

加齢と正義中毒

脳は加齢とともに衰えていきます。

そこで、正義中毒の症状もひどくなることがあるそうです。


加齢によって脳の前頭前野が衰えてしまうので、行動の制御ができにくくなるという話。

もともと正義中毒のように自制がききにくい場合、他人への怒りはより大きくなりがちです。

 

脳が衰えてしまうこと自体は仕方がない話ではあります。

昔は良かったというようなことばかり言うようになったら、脳が衰えている、正義中毒になりやすいと意識したほうが良いかもしれません。

 

簡単には解決できない?

自分が正義中毒で苦しんでいる際に、簡単に解決できるような方法があるかというと、これはなかなか難しいそうです。


依存症と同じような話であるとすると、他の依存症が抜け出しにくいように、この正義中毒もなかなか止めにくいものでしょう。

その前提で解決策を考えるのであれば、まずこの正義中毒だという点について、自分が依存症だと自覚することが出発点になります。

自覚したうえで、怒りの感情が出てきたら一呼吸おきましょう。

一呼吸置いた上で、正義中毒なんて話があったな、と思い出すのが良いとされます。

 

また、加齢対策も重要です。

加齢で前頭前野の衰えが原因なのであれば、衰えは仕方がないにしても、その衰えのスピードを減らす活動が有効です。

脳の衰えを減らすには、例えば新しい体験をする、普段と違うことをしてみるなどが、脳に刺激を与えるので有効です。

 

正義中毒者と相手にすると?

他人を許せないという感情で自分が苦しんでいる人もいるのですが、このような正義中毒にかかっている人から攻撃される場合もあります。

裁判などは典型的で、お互いの当事者は自分の正義を振りかざします。

このように、正義中毒者から攻撃を受ける場合にはどうすればいいのかという話もあります。

 

まず、このような正義中毒者と同じ土台に乗らないことです。

同じ土台で戦って論破しようとすると、泥沼に。

正義は立場に結びつくもので、それぞれの正義がありますので、立場が違えば、前提の正義感が違います。

同じ土台で相手を論破しようとしても、労力の無駄になる可能性が高いです。

相手は自分なりの正義感に従って動いているので、そこを論破してしまうと恨まれたりもします。

 

大事なのはスルースキルです。

可能な限り、スルーすることでしょう。

 

反論のポイント

しかし、スルーできずに反論しなければならないシーンもあるでしょう。

 

反論をするとしても、中立的な視点からした方が良いです。

反論の際に、こちらの価値観を押し付けるのではなく、中立的な立場から考えて言っていることを伝えること。

部分的にでも相手の主張に肯定できるのであれば、全面的に否定して戦うのではなく、部分的に肯定しつつ、自分の主張をそこに加えるという手法です。

また、相手の正義感には感謝するスタンスが有効に働くこともあります。

相手が正義感から動いている場合には、その正義感を満たすこで、感情的に満足させられ、交渉が動くことも多いです。

相手の正義感を満たしながら、自分の利害を意識した結論を考えるのです。

 

 

スルースキルについては、『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』という本で、

ロジック部分での相手の利益への乗っかり方は、『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法』でも紹介していますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

 

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