FAQよくある質問
FAQ(よくある質問)
Q.答弁書の書き方、提出期限は?
民事訴訟や裁判において、被告が自己の主張を述べるための文書、「答弁書」。
この答弁書は、訴訟や裁判において非常に重要な役割を果たします。
しかし、初めて答弁書を書く場合や、問題が発生した際には、どのように対処すればよいかわからず、混乱してしまうこともあるでしょう。
そこで、本記事では、答弁書に関する情報をまとめました。
裁判所から訴状が届き、答弁書を提出するよう求められ、お困りの方は参考にしてみてください。
この記事は、
- 答弁書の提出期限が迫っており、どうすれば良いかわからない人
- 答弁書の書き方に不安があり、正しい方法を知りたい人
に役立つ内容です。
答弁書とは
答弁書とは、民事訴訟で相手方(原告)の請求や主張に対して自分(被告)の意見や反論を書いた書類です。
答弁書を、裁判所に提出することで、自分の立場や主張を裁判官に伝えることができます。
また、答弁書を提出しないと、相手方の主張を認めたものとして取り扱われることがあります。
例えば、あなたが借金をしていて返済が滞っている場合、債権者から訴えられることがあります。
その際に送られてくる訴状には、債権者の請求額や利息などが記載されています。
あなたはこの訴状に対して答弁書を作成し、内容を争うのであれば、そのような記載をします。自分の返済能力や事情などを説明することもあります。
答弁書は、民事訴訟で自分の意見や反論を伝える重要な書類です。
答弁書を提出せずに裁判にも出席しないと、欠席裁判となり原告の言い分どおりの判決が出されることが多いので注意しましょう。
答弁書の書き方
答弁書の書き方は以下の通りです。
まず、形式面として、事件番号、事件名、当事者名、住所、電話番号など基本的な事項を記入、作成日付と署名・押印をします。裁判所によっては、事件番号等が記入された答弁書の雛形を送ってくれることも多いです。そこに書き込んで提出する方法もありますし、全く別の紙で作っても大丈夫です。
次に、内容面です。
請求の趣旨に対し、棄却を求めるかどうかを記載。
請求の原因に書かれている相手方(原告)の主張に対して、認否をします。
できれば、一つずつ具体的かつ明確に反論したほうが良いです。相手の主張を否定するならば、その理由も書くほうが有効です。
反論する際には証拠や根拠を示すようにしましょう。証拠資料を添付する場合は、証拠番号もつけておきます。通常は、乙1号証、2号証のように、乙号証を使います。
理由や根拠については、答弁書は裁判官が判断する材料となるため、正確かつ詳細に記入する必要があります。
また、相手方(原告)の主張だけではなく自分(被告)の主張も明らかにしておきます。法的には、抗弁と呼ばれる内容です。
答弁書の例文
借金問題で反論をする場合、以下のような内容が考えられます。
私は、原告の請求に対して以下のとおり反論します。
1 原告の主張する貸付金額について
原告は、私が令和年○月○日に借り入れた200万円を返済していないと主張していますが、これは事実ではありません。私は令和○○年○月○日に50万円を返済しました。
その証拠として、振込の控えをを添付します(乙1)。
答弁書の提出方法・期限
「答弁書」の提出期限は、多くの場合、裁判の第1回口頭弁論期日の1週間前に設定されています。
答弁書の提出期限は訴状に同封された裁判所からの文書に書かれています。
ただ、裁判の期日前であれば、多少は遅れても大丈夫です。
期限を過ぎてしまった場合でも、裁判期日前であれば、提出は認められますので、期日前に、なるべく早く提出するようにしましょう。
答弁書を裁判所に送る方法
答弁書は、正本(裁判所用)1通と副本(相手方用)1通を郵送するか裁判所に持っていきます。
同じものが手元にないと裁判が進む際に混乱しますので、自分の控えも作っておきます。
裁判所に答弁書を提出することで、被告が争う意思を示し、口頭弁論に備えることができます。
また、正本と副本を分けて提出するのは、裁判所から相手に対して副本を送るためです。
答弁書が未提出となると不利益な結果となりますので、郵送の場合には、配達されたことがわかる方法で提出するか、到着しそうなタイミングで裁判所に届いたかどうかの確認連絡をしておいたほうが良いでしょう。
答弁書の内容に誤りがあった場合の対応策
答弁書の内容は、法廷で陳述して、裁判での主張として取り扱われます。
裁判の期日前であれば、訂正はできます。訂正の書面を出し、訂正箇所を明らかにしておいたほうが良いでしょう。
誤記等であれば、特に問題になることはありません。
ただ、法的な主張に誤りがあった場合には、最初の答弁書自体を相手に不利な証拠として使われる可能性もあります。
裁判所への提出文書では、なるべく誤りがないように進めましょう。
単純な誤記であれば、期日後でも訂正はできます。
法律的に重要な主張についての訂正ができるかどうかは、その内容によります。
民事裁判では、自白という制度があり、法的に重要な事実を認めた場合、簡単に撤回できないことになっています。
たとえば、売買代金の請求を原告からされた事件で、答弁書で売買契約があったことは認め、弁論期日でもそのような答弁書を陳述したものとみなされた後に、売買契約はなかったと主張を撤回することは難しくなるのです。
ここまで重要な事実ではなくても、主張している内容が変わると、一貫性がないとして信用力が低いと判断されてしまうリスクも高まります。
相手の主張に対する反論の仕方
反論する際には、相手の主張を否定するか、または、相手の主張に対抗するこちらの主張をする(抗弁)必要があります。
こちらの主張について、相手が否定する場合には、証拠や根拠が必要になってきます。
たとえば、相手が貸したお金を返せという裁判を起こしたのに対し、こちらは返したと主張する場合、返したことを証明する責任が出てきます。返した証拠が必要になってくるのです。
反論はただの感想や意見では足りません。
答弁書の文章の書き方
答弁書の書き方についてのコツやテクニックは、以下のようなものがあります。
・問題点を明確にする
・主張には根拠を示す
・明確でわかりやすい文体を心がける
・相手に敬意を払う
まず、答弁書」を作成する際には、問題点を明確にすることが重要です。
民事裁判では、要件事実という概念があります。
原告の請求が認められるのかどうかという点について、大事な事実のことと考えれば良いです。そのような事実があるのかどうかが、問題点になります。
これを明らかにする必要があるのです。
たとえば、売買代金の裁判では、売買契約があったのか、認めるのか、という点は重要な問題点になります。
答弁書などで、これを明らかにするように求められているのです。
抗弁のような被告からの主張には根拠を示したり、証拠を提出するのが有効です。
これらを前提に、一般的な文章として、明確でわかりやすい文体を心がけたほうが良いでしょう。
さらに、相手に敬意を払うことで、円滑な対応が期待できます。紛争相手ですので、相手のことを悪く言いたがる人もいますが、不必要な悪口を書くことは勧められません。ときには、誹謗中傷だとさらに訴えられることもありますし、裁判官にも良い印象を与えないでしょう。
答弁書の提出後の手続き
答弁書を提出した後には、裁判期日に行くかどうかを決める必要があります。
簡易裁判所の事件では、書面を出して擬制陳述することができます。和解などを希望する場合には出席したほうが良いでしょう。
地方裁判所の事件でも、第1回期日については答弁書だけ出して欠席が認められています。2回目の期日に行く場合には、裁判所に事前に日程を伝えておいたほうが良いでしょう。
裁判所への出頭の必要性
民事裁判では、第1回期日は、被告は欠席が認められています。答弁書を出しておけば、その主張をしたことにできます。
簡易裁判所の事件では、2回目の期日以降も、書面だけ出して手続は進められますが、証拠を提出したい場合や、出席して自分の主張や事情を直接伝えたほうが良いと考える場合には、出席するようにしましょう。
和解の希望がある場合も同じです。
答弁書についての相談に対応している弁護士事務所の探し方
答弁書についての質問や相談に対応している弁護士事務所を探す方法は以下のようなものがあります。
・インターネット検索エンジンでの検索
・法律相談サイトや弁護士紹介サイトの利用
・弁護士会の相談窓口の利用
現代では、インターネットを利用することで、簡単に弁護士事務所を探すことができます。また、弁護士紹介サイトを利用することで、自分に合った弁護士を選ぶことができます。さらに、弁護士会の相談窓口を利用することで、専門的な相談にも応じてもらうことができます。
弁護士の選び方については、法律相談だけを希望するのか、事件の代理人としての活動を依頼するのかによっても変わるでしょう。
代理人としての活動を依頼する場合、2023年の時点では、弁護士がまだ裁判所に行かなければならない地域、手続が多いです。その場合の費用負担も発生します。地元の裁判所の事件であれば、地元の弁護士を探したほうが費用負担が少なくて済むことも多いです。ただ、この点は、今後、裁判が完全にネット化すれば、この点は変わるでしょう。
また、自分自身が弁護士と現実に会って相談したい、手続を進めたい場合には、近くの弁護士を探したほうが良いということになるでしょう。
弁護士紹介サイト等で目立つ場所に掲載されている弁護士は、それだけ広告費をかけている事務所であるということは頭に入れておきましょう。検索で、広告枠に出てくる弁護士も同じです。
この点は必ずしもマイナスではありません。集客に熱心ではあるので、やる気がない弁護士よりは良いでしょう。ただ、広告費は、どこかで吸収しているはずですので、その点は意識しておくほうが良いでしょう。
弁護士会の相談窓口としては、神奈川県では、各地域に相談センターが設置されています。こちらを利用すれば、弁護士会から派遣されている弁護士に依頼することもできます。
もちろん、ジン法律事務所弁護士法人でもご相談できます。
答弁書に関する法律相談は以下のボタンよりお申し込みできます。 債務整理のご相談は無料です。