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FAQ(よくある質問)

 

Q.管理不全土地等管理命令とは?

隣地など関連する不動産の管理が不十分な場合に、使える制度として、管理不全土地等管理命令ができました。

今回は、この管理不全土地等管理制度について解説します。

この記事は、

  • 隣地等の不動産から迷惑を受けている人
  • 親族の不動産がしっかり管理できていない人

に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2023.6.12

 

犬の財産分与が争点

民法改正で、管理不全土地等管理制度ができました。

所有者不明の土地問題の対策として、所有者不明土地管理制度と並んでできた制度です。

土地や建物が適切に管理されていないと、周囲の人は困ります。通常、このような場合には、土地や建物の所有者に、何とかしろと請求できます。しかし、所有者が誰だかわからないと請求相手がいません。困ります。

また、所有者が土地等の管理をしていなかった問題を放置すると、相続等で、所有者が誰だか不明になる事態へとつながりやすくなります。そのような事態になる前に管理させようという趣旨もあります。

このように管理不全となった土地に対し、適切な管理をさせるため、所有者に代わる管理者を設置する制度が、今回の制度です。

 

想定される事案

隣地の管理が十分にされておらず、倒木や土砂の流入被害などがある場合に、しっかり災害防止工事をしてもらいたいというケースがあります。

この際に、管理不全土地管理命令の申立てが使える可能性があると言われます。

隣地からの被害がある場合、問題がある際に、所有者に対して、解決を求めることはできます。たとえば、倒木があったのであれば、所有権に基づいて、除去等を求めることができます。

しかし、このような自体が複数回あるような場合だと、毎回、請求するのは大変です。また、所有者が適当な対応をしてくることもあります。

そこで、管理不全土地管理命令の申立てを行い、不動産自体の管理人を選んでもらい、対処してもらうのがこの制度です。今までの管理人制度は、人に対して財産管理人などをつけていたのに対し、今回の制度は、不動産に管理人がつくという点が特徴です。

 

管理命令の申し立て

管理人を選んでもらうためには、裁判所への申立が必要です。

申し立てを行う人は、利害関係人である必要があります。

この制度は、管理不全となっている土地(建物)全体の適切な管理を通じて、周囲の環境に悪影響を及ぼす状況を防ぐことを目的としています。

そのため、申し立てが認められる利害関係人は限定されます。

適切に管理されないために具体的な不利益を被る可能性がある隣接地所有者は該当するでしょう。

また、管理不全土地の所有者の親族も利害関係が認められることがあります。親族に代わって事実上、管理をしている人もいるでしょう。所有者本人が判断能力が不十分な場合で、成年後見人がついていないような事案では、親族の申立が認められることもあります。

さらに、市町村長も一定の場合には管理不全土地管理命令の申し立てを行うことができます。

 

管轄裁判所

管理不全土地等管理命令事件を申し立てる管轄裁判所は、管理不全の土地または建物の所在地を管轄する地方裁判所です。

人に対しての管理ではなく、不動産に対する管理なので、不動産の所在地が管轄になります。

この手続きは、非訟事件とされています。

 

管理人選任の申立書

裁判所への申立を行います。

申立書には不動産の目録をつけて

「別紙土地(建物)目録記載の土地(建物)について、管理不全土地(建物)管理人による管理を命じる裁判を求める。」のような申立をすることになるでしょう。

裁判所が決定を出す場合には、管理人が必ず選任されます。

 

 

管理人選任の要件

まず、管理不全の不動産の存在が必要です。対象不動産がなければ管理人を選任する必要はありませんので。

管理不全土地等管理命令の申し立てでは、土地の所有者による不適切な管理が他人の権利や法律上保護される利益を侵害し、または侵害する可能性があることが要件となります。

なお、不動産自体は、未登記であっても対象です。

 

次に利害関係も申立人の要件になります。

発令の必要性も要件とされます。

現在の対象不動産の管理状況を考慮して、管理人を選んで管理させることが必要であることが求められます。

この要件については、現状だと、他人の権利や利益の侵害が耐え難い程度に達していること、そして管理人を選任することで管理が期待できることの主張・証明が求められます。

 

不動産の管理処分方針

なお、申立書では、対象不動産の管理処分方針を具体的に明示すべきとされます。

この方針により要件を満たすかどうか判断されるとともに、どのような管理人を選べばよいかの判断要素とされるでhそう。

申立書に、管理人の候補者等を記載すべきともされます。

管理人の資格は、法律では決められていません。今後の運用次第ではありますが、成年後見制度が始まった頃のように、具体的な候補者がいれば記載し、いなければ、どのような属性の人が良いのか、記載することになりそうです。

申し立てる側で、希望する管理方針をある程度、詰めていかないといけないということですね。

 

管理人選任申立の添付書類

管理不全土地等管理命令の申立の際には、対象不動産の登記事項証明書を添付書類として提出します。

また、申請地の公図や14条地図など、図面や現状調査や評価を記載した文書があれば提出すべきでしょう。

その他、管理方針や写真などは証拠として提出することになるでしょう。

 

管理不全土地の予納金

申立後、裁判所が定める予納金の納付も求められます。

予納金や予納郵券などの費用は、裁判所の判断や運用に依存します。

申立時の予納金については、まずは申立人がこれを納付することになります。

命令が出された場合、対象不動産の所有者から回収するという運用になるでしょう。

 

なお、市町村長が申立人となる管理不全土地等管理命令の申立てについて、所有者から回収できない申立ての費用については、一定の要件のもとで国等からの補助制度が施行されると言われています。

そのため、市町村の担当部署に相談し、市町村等の長が申立人となる申立てをしてもらえると、隣地所有者などの利害関係人としては負担が少なくなります。

 

 

申立て後の流れ

申立後の審理として、裁判所が申立てを受けた後、各要件や管理人候補者を調査します。

管理人候補者の調査では、他の財産管理制度と同様に、候補者への照会などが行われるでしょう。

特に、対象不動産の所有者が現存する場合には、所有者の意向も考慮されます。

この手続期日は、基本的に非公開です。ただし、裁判所が適当と認める者は、傍聴許可制度を利用できるとされます。

 

また、予納金額の算定がされます。

所有者不明土地等管理制度以上に、管理方針や予想される管理期間などに応じて柔軟な運用が期待されます。対象不動産の所有者が現存する場合、命令後に発生する費用等は、多くの場合、実際には所有者が直接負担すればよいと考えられるからです。所有者の意向や、所有者からの回収可能性も判断要素になるでしょう。

どんな管理を求めるのか、どの程度の期間なのか、所有者の意向などの要素によって決められることになりそうです。

 

裁判所による事実の調査等

申立をすると、裁判所で選任判断のための調査をします。

裁判所による事実の調査等は、原則として一般的な非訟事件と同じとされます。

対象不動産の現状の調査も可能とされているので、内容によっては、現地調査等がされる可能性が高いです。ただ、写真撮影報告書等で代替できる内容なら、それで済まされる場合もあるでしょう。

 

所有者陳述の聴取

裁判所は、所有者の手続き保障の観点から、管理命令の発令前には、原則として、所有者の陳述を聴取しなければならないとされています。

権利制限や費用負担の可能性があるため、意向を確認するのは当然でしょう。

ただし、緊急性がある事件に対応するため、その陳述を聴くことによって目的を達成できない事情がある場合、この限りではないとされています。

なお、所有者が異議を唱えず、管理人の選任に特段の支障がなければ、管理不全土地等管理命令が発令される可能性が高いです。

これに対し、所有者が陳述で発令に反対し、その内容によっては、管理人が管理困難と見込まれる場合には、発令が必要かつ適当でないとして、申立てが却下される可能性もあるでしょう。

 

管理人選任

調査等が終了すれば、管理人を選任するのか発令されます。

裁判所で管理人選任に関する判断がされた場合、不服申立て方法は、即時抗告となります。

即時抗告の期間は、告知の日から2週間以内です。告知の日から2週間が経過すれば、確定します。

なお、管理人の選任自体に対する不服申立てはできません。

 

管理人の業務

管理人は選任されたら業務を行うことになります。

選任直後は、申立記録などの閲覧・謄写をするのが通常でしょう。

また、通常は資格証明書などが交付されることになりそうです。

そのうえで、最初は情報収集をするはずです。申立人から話を聞くなどして、対象不動産の管理方針を決め、不動産の所有者の意向を確認する流れが通常でしょう。

 

管理人の権限

管理人は、対象不動産とその管理処分から得た財産の管理処分権限を有します。

しかし、対象不動産にも所有者がいます。不動産に関する権限が管理人にだけに専属するものではありません。

 

他の財産管理制度と同様に、管理人は対象不動産の所有者に対して善管注意義務を負います。


管理人は、管理上生じた余剰の金銭を対象不動産の所有者に引き渡す義務を持ちますし、費用等の不足する金銭については、対象不動産の所有者に請求できます。

このようなやりとりが必要であることから、管理人と所有者と関係、連絡方法は大事です。

 

管理人報酬

他の財産管理制度と同様に、管理人にも報酬が発生するのが通常です。

裁判所の決定により決められることになります。

報酬の額を定めるにあたっては、対象不動産の所有者の手続き保障の観点から、陳述聴取の手続きを行う必要があります。

 

権限外行為の許可

管理人の権限範囲は、特別な許可(権限を越えた行為の許可)がない限り、不在者財産管理人と同等とされます。

権限を越えた行為をするには、裁判所の許可をもらうことになります。

管理不全土地等管理制度では、対象不動産の所有者がいるので、許可が求めたり、許可が出る行為は少ないと言われます。

許可申立があった場合、裁判所は原則として、特別な許可を行う前に発令対象土地の所有者の陳述を聴取します。

なお、裁判所が発令対象土地の処分に関する特別な許可をする際には、上記の聴取に加えてその所有者の同意が必須とされています。

 

業務終了の手続き

管理人の業務が終了となることもあります。

法的には、利害関係者の求めによる解任、裁判所の許可による辞任、裁判所の権限に基づく命令の取消、管理を続けることが適当でないと認定された場合の命令の取消、及び管理すべき財産がなくなった場合の命令の取消です。

管理不全土地等管理命令の独自の問題としては、途中から、不動産の所有者が管理人の管理続行に反対することが想定されます。最初は反対していなかったものの、時間の経過とともに反対し、管理ができなくなることもありえます。

 

また、管理不全土地等管理命令の発令後に相続財産管理人等が選任される等、制度が競合することも想定されます。この場合は、取消になることがあります。


管理不全土地等管理命令制度の使い方

この制度の使い方ですが、隣地等の管理が不十分な場合には、基本的には予納金を負担し管理人を選んでもらうという原則どおりの使い方があります。

その他に、所有者との交渉材料とすることもあり得るでしょう。所有者が特定でき、連絡は取れるものの、対応が個別的だったり不十分な場合です。この管理不全土地等管理制度を説明し、管理人が選任された場合には、所有者に費用負担、管理人との連絡等の手間がかかることを伝えたうえで、適切な管理・対応を求める使い方です。それでもしっかり管理がされないなら、原則どおりに申立という流れです。

所有者が合理的に判断するのであれば、管理人選任より自分で対応することを希望する事例もかなり多いのではないかと見込まれます。

 

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