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FAQ(よくある質問)

 

Q.民事裁判の鑑定とは?

民事裁判のなかで、鑑定という方法が使われることもあります。

証拠の一つの方法ですが、専門家の意見が必要な場合に使われることがあります。

この記事は、

  • 民事裁判の手続中の人
  • 不動産鑑定、筆跡鑑定などを検討している人

に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2023.6.30

 

鑑定とは

鑑定とは、一般的な知識では理解できない専門的な事実を明らかにするための証拠調査の一つです。

これは専門家の見解や特定の知識を基にして行われます。


鑑定は、特定の知識と経験を持つ専門家、つまり鑑定人によって行われます。その結果、鑑定人の専門的な意見が証拠資料として生成されます。

民事裁判では、当事者の申し立てなどがあり、裁判所が採用することで手続きが進みます。

鑑定を進める場合には、まず鑑定人を選任するところから始まります。

 

民事裁判の鑑定実例

民事裁判で鑑定が使われる具体的な例としては、土地の境界線を特定するための調査、賃料の適正な額を評価するための鑑定、不動産評価額の鑑定、非上場株式の価格を算出するための鑑定などがあります。

その他に、民事裁判で提出されることが多い鑑定内容には、筆跡鑑定、指紋鑑定等もあります。

鑑定の対象になるものとしては、まず、裁判の大前提となる法規や経験則があります。

次に、裁判の小前提である事実判断についてもあります。専門家の意見が必要とされるシーンは、実務ではこちらの方がより多いです。例えば、筆跡や印鑑の同一性である筆跡鑑定や、賃料減額などの事件で使われる相当賃料の金額、建築物の構造や境界線などが該当します。

 

鑑定の申立

鑑定を求める際には、証明したい事実と鑑定を求める項目を記載した鑑定申立書を提出します。この際、特定の鑑定人を指名する必要はありません。

通常は、申立をしていない側の裁判当事者に鑑定の採否についての意見を聞きます。

 

鑑定事項の決定は、当事者が鑑定を求める事項に即したものであることが必要とされます。特に医療過誤や薬害訴訟、公害訴訟などでは、適切かつ妥当な鑑定事項を定めなければならず、裁判所の調整が行われます。

鑑定の申し出をする際には、同時に鑑定を求める事項を記載した書面を提出しなければなりません(民事訴訟規則129条)。相手方は意見を記載した書面を裁判所に提出する必要があります。

裁判所は鑑定事項について協議することができます。

不動産鑑定

鑑定の採用

そのうえで、裁判所が鑑定を必要と判断した場合には、鑑定が採用されます。


裁判所は鑑定を採用したら、鑑定人を選びます。鑑定に必要な知識と経験を持つ人物を鑑定人として指定します。指定前に当事者に意見を聞くこともあります。紛争案件に対する利害関係などがあれば、そこでその旨の主張をすることになります。

鑑定人には構成かつ中立な立場が求められます。利害関係がある場合には鑑定人の適格がないとされます。

 

鑑定の際には、鑑定項目を決めることになります。鑑定事項や鑑定方法について当事者が納得しない場合、後に争われるリスクが出てきます。そのため、裁判所は、鑑定人に提出する依頼方法や資料を裁判当事者と事前に擦り合わせることも多いです。

 

鑑定費用の予納

鑑定の申し立てをした当事者は、鑑定費用の概算額を予納しなければなりません。

その金額は鑑定内容によっても変わります。数十万円の費用が必要になります。

鑑定には旅費や宿泊料も請求できるとされており、出張が必要な事件ではそのような費用も負担されます。裁判所は鑑定を命じる前に、鑑定費用のおおよその金額を当事者に予納させることになります。

 

鑑定結果

鑑定人は、鑑定結果を書面にするのが通常です。鑑定書などの形です。

鑑定書が作成されると、裁判当事者にも連絡が来るので、謄写するなどして内容を確認します。

裁判期日など、鑑定のために指定が保留されていた場合には、ここで期日を決めて再開することになるでしょう。

 

ただ、鑑定人の陳述の方式は民事訴訟法215条で定められています。鑑定人には書面または口頭で意見を述べさせることができますが、基本的には鑑定書などの書面が多く使用されます。

書面による場合には、裁判所では、提出された鑑定人の書面による意見を検討し、口頭弁論期日で利用できる証拠資料とします。

 

鑑定人質問

鑑定人質問、尋問が行われることもあります。

民事訴訟法215条の2では、裁判所が鑑定人に質問することができるとされています。

質問は、鑑定意見の内容を明確にし、根拠を確認するために行われます。

質問の順序は、裁判長がまず行い、次にその鑑定を申し出をした当事者、その後に他の当事者という順番とされています。証人尋問の場合とは順番が異なります。

ただ、裁判長の判断により、まず鑑定申し出をした当事者から順に質問をさせるなど、必要に応じて順序を変更することもできます。

 

鑑定結果と判決内容

鑑定の評価は裁判所の自由な判断に委ねられています。

鑑定人の意見と異なる判断がされることもあります。

 

不動産鑑定

不動産鑑定は、土地や建物の価値を評価するプロセスであり、多くの場合、不動産取引や共有物分割、遺産分割などで使われます。

この場合、鑑定人としては、不動産鑑定士が選任されるでしょう。

不動産鑑定士とは、不動産の価値を専門的に評価する資格を持った専門家です。

彼らは、市場価格、土地の特性、建物の条件、周辺環境など、多くの要因を考慮して、不動産の価値を計算します。

 

不動産鑑定のプロセスは、いくつかのステップに分かれます。まず、不動産鑑定士は、評価対象の不動産を訪れ、土地や建物の状態を調査します。当事者からの必要な資料があれば受け取り、内容を検討します。

次に、市場データや公的記録を分析し、類似の不動産の取引価格や地域の開発動向を調査します。これらの情報をもとに、不動産鑑定士は、評価額を算出します。

裁判所が不動産鑑定士に鑑定を依頼する場合、鑑定士は中立的な立場で評価を行います。

一方で、個人や企業が不動産鑑定士に依頼する場合、鑑定士は依頼者の利益を代表する立場で評価を行うことがあります。これを私的鑑定と呼ぶことがあります。このような私的鑑定でも中立的な評価をするはずですが、現実には、提示される資料や鑑定事項の選別などによって、数字に幅が出てくることが多いです。

 

 

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