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FAQ(よくある質問)

 

Q.民事事件の和解とは?

民事事件の紛争で、和解による解決となることも多いです。

和解というものが法的に、どのような意味を持つのかメリット・デメリットも含めて解説していきます。

この記事は、

  • 民事事件の紛争中の人
  • 和解交渉中の人

に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2023.7.13

 

和解とは

和解とは、紛争や対立が生じた際に、当事者間で話し合いを行い、自主的に解決を図る手段の一つです。和解は、当事者間の争いを終結させるために、双方が譲歩し合う行為を指します。

裁判上の和解と裁判外の和解が存在します。

和解が達成されるためには、当事者双方が一定の譲歩をすることが必要で、片方だけが妥協しても和解は成立しません。

 

裁判外の和解であれば、法律的な手続きを経ることなく、双方が納得のいく形で問題を解決することができます。

和解の大きな特徴は、その自由度の高さにあります。法律の枠組み内であれば、どのような内容であっても合意することが可能です。しかし、その自由度ゆえに、和解には様々な注意点が存在します。

 

裁判外の和解とは

裁判外の和解は、民法に規定された契約の一種であり、裁判所の介入を必要としません。

この形態の和解は、当事者間で問題解決のために相互に妥協し、和解成立後はその問題について争わないことを合意することで成立します。当事者が合意すれば成立という話です。

ただし、双方が合意した内容が守られない場合は、契約不履行として合意を解除することも可能です。

和解も契約の一つですので、守らなかった場合には、契約と同じく不履行の責任を追及できるのです。

 

裁判上の和解とは

裁判上の和解とは、裁判所

が関与する形態の和解です。

裁判上の和解には、成立した場合その内容が、裁判所で作られる和解調書に記載され、確定判決と同一の効力を持つという特性があります。

例えば、和解でお金を支払うと合意したにもかかわらずそれを守らない場合、民事執行法に基づいて強制執行を行うことが可能になります。差し押さえができる強い合意なのです。

なお、裁判上の和解は、通常は、裁判を起こし、その後に裁判所での和解をするのが通常です。

 

訴え提起前の和解

ただ、訴え提起前の和解というものもあります。訴えを起こす前に、当事者双方が簡易裁判所に申し立てて行う和解です。これは、将来の訴訟を避けるために行われます。裁判前に合意ができている、守らなかったときには強制執行できるようにしておきたいと考える際の選択肢です。公正証書でも似たようなことはできます。

訴え提起前の和解は即決和解とも呼ばれます。

訴えを提起する前に相手方の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所に和解の申立てをすることができます。和解が成立しなければ、普通の訴訟手続に移行します。和解が成立すれば、裁判所書記官はこれを調書に記載します。この和解調書の記載は、確定判決と同一の効力があります。結果として、裁判上の和解と同じです。

和解

和解のメリット

和解には多くのメリットがあります。

和解の最大の利点は、裁判などの公的な手続きを経ることなく、迅速に問題を解決できることです。これは時間と費用を大幅に節約することができるため、特にビジネスの世界では重要な要素となります。

また、和解は秘密裏に行うことができるため、公にはしにくい問題を解決するのに適しています。

さらに、和解は双方が納得のいく形で解決することができるため、関係の修復や維持にも寄与します。

裁判上の和解のメリット

訴訟などの特定のケースでは、裁判上での和解にはさらに具体的なメリットがあります。

・迅速な解決
和解を選択すると訴訟が終了するため、後から、「内容に不服があったから」という理由で上訴される可能性がなくなります。つまり、紛争を確実に早期解決することができ、裁判に関する時間や手間、費用なども節約することができます。

原告が勝訴が予想される場合でも、和解により、控訴による引き延ばしを回避できるのです。

 

・敗訴リスクを避けられる

訴訟においては、勝訴するか敗訴するか、どのような判決が下されるか裁判が終わるまでわかりません。

しかし、和解では双方が譲り合うことが必要になりますので、ある程度は請求を認めてもらうことができるでしょう。ただし、支払い額を減額したり、分割払いに応じたりするなど、相手側の要求にも譲歩をする必要があります。このように、和解は譲歩することによって双方が敗訴するリスクを軽減し、一定の成果を確保できるという点がメリットとなります。ただし、勝訴すれば得られたであろう利益は得られなくなるという点は、デメリットともみなせます。

・相手が和解内容を履行する可能性が高い

和解は当事者の双方が、内容に合意することによって成立します。もちろん、譲歩している部分に対しては不満もあるでしょうが、話し合って得られた結果であるため、判決よりも和解内容を履行してもらえるという期待を持つことができるのです。判決の場合には、無視されることもありますが、和解の方がこのリスクは低いと言われます。

ただし、相手側が和解内容を履行しない場合は、判決と同じく強制執行をする必要があります。

・柔軟な内容にできる

判決は訴訟で提起された内容についてのみ判断することになりますが、和解にはそのような制約はありません。そのため、訴訟で取り上げなかった事項についても、和解では当事者の合意で定めることができます。

たとえば、別件の紛争があれば、あわせて和解内容に含ませることにより、原被告間の紛争の包括的な解決が可能となるという利点もあります。

 

和解のデメリット

しかし、和解にはデメリットも存在します。

裁判外の和解では、和解内容の実行を強制する法的な手段が限られているため、和解後の履行が保証されない場合があります。

また、和解の過程や結果が公にならないため、公正さが問われる可能性があります。特に、和解が秘密裏に行われるため、第三者に対する透明性が欠けるという問題があります。

和解のメリットとデメリットを理解することは、適切な判断を下すために重要です。

和解は時間と費用を節約できる一方で、公正さや透明性に問題がある場合があります。したがって、和解を選択するかどうかは、それぞれのケースの特性や、当事者の目的によります。

 

和解の進行手順と注意点

和解の進行は大まかには、和解の提案、和解内容の協議、和解契約の締結、和解内容の実行の4つのステップに分けられます。

和解の提案は、紛争を解決したいという意思を相手方に伝えることから始まります。和解内容の協議では、双方が納得のいく解決策を見つけるための議論が行われます。

和解契約の締結では、協議で決まった内容を形式的に契約にすることで、双方の約束を明確にします。

和解内容の実行では、契約に従って約束を実行します。

裁判外での和解では、このような手順で進められることが多いです。

裁判上の和解では、裁判官が間に入ったり、積極的な和解提案をすることもあります。

 

裁判上の和解までの流れ

裁判上の和解は裁判手続きの中で、いつでも行うことが可能です。一般的な訴訟の流れと、和解の代表的なタイミングについて説明していきます。

(1)一般的な訴訟提起から終了まで

民事裁判では、まずは訴訟を提起すべきか否かの検討を行い、裁判外での和解ができない場合は訴訟を提起します。

訴状が裁判所に受理されると、訴状を受け取った被告は答弁書を提出します。そして、当事者の主張や証拠の提出、証人尋問などを経て、裁判官は心証を形成し、判決を下します。

下された判決の内容に不服がある場合は、上級の裁判所に控訴、さらに不満がある場合は上告することになります。このように、裁判で判決が確定するまでには長い時間がかかります。そのため、内容に不服があって控訴した場合などは、長期間争う覚悟が必要となるのです。

和解の流れ

(2)和解のきっかけ

和解は、訴訟手続きの中でいつでも行うことができます。

裁判官が和解を勧告することもあれば、当事者の申し出によって行うことも可能です。

双方が妥協できるのであれば、訴訟を早期に終了させられるため、和解を検討することは大きなメリットがあります。また、裁判所も強制的な判決を下すより、当事者の合意によって争いが解決することを歓迎するため、裁判官によって和解をすすめられる場合があります。

(3)証人尋問の前後での和解

公判では、双方の主張や証拠が出尽くした後に、証人尋問を実施します。

多くの場合は、双方の主張が出そろった段階で判決のおおよその見通しが立つため、証人尋問の前後で、裁判官がそれまでの審理によって得られた心証に基づいて和解をすすめることが多いです。

 

裁判上の和解の効力

裁判上の和解は、判決と同一の「効力」を持ちます。

裁判上の和解が成立すると、裁判所は、和解の内容を記録する公文書である「和解調書」を作成します。この「和解調書」は、確定判決と同一の効力を持ちます。

● 訴訟終了効
裁判上の和解が成立すると、裁判は終了します。

● 執行力
もし、相手側が和解の内容を守らない場合は、「和解調書」に基づき、強制執行の申し立てをすることができます。判決と同じく相手の財産に対し差し押さえができる強い力があります。

● 確定効
裁判上の和解が成立した場合、無効を申し立てることは原則としてできません。

裁判上の和解であれば、民法169条(改正前民法174条の2)が適用されて、その内容となっている権利がたとえ短期消滅時効に服するものであったとしても、和解後の時効期間は10年となります。

 

裁判上の和解の撤回

裁判上の和解をした後に、考えを改めたり気が変わったりして、「やはり、納得ができなくなった」と和解をやり直したくなる方もいるかもしれません。

しかし、裁判上の和解には「確定効」があるため、原則として、和解内容を覆すことは困難です。

ただし、交渉によって、和解の内容を変更することが可能な場合もあります。また、認められるハードルは高いですが、民法上の無効、取消し、不履行による解除などは、裁判上の和解にも適用されると解されています。

 

和解と類似する手続き

和解は、当事者の合意を目指す手続きです。

普通に交渉して和解を目指すほかに、第三者の機関を入れて、和解の話し合いをする手続きもあります。

裁判外紛争解決手続き、ADRと呼ばれるものもあります。

・民事調停

当事者間の紛争について第三者が仲介し、その提示する案に当事者が同意することによって解決が図られる手続きのことを「調停」と言います。

法律に定められており、調停調書が作成されると、裁判上の和解と同一の効力が認められます。

民事調停は、簡易裁判所に申立をし、期日に、調停委員が間に入って話し合いをします。

 

・仲裁

当事者間の紛争について、第三者である仲裁人に解決の内容を委ね、その仲裁案によって紛争を解決することを「仲裁」と言います。

業界によっては、仲裁機関が設けられていることがありますので、相談してみると良いでしょう。

 

和解と示談

日常生活において、「示談」という言葉は、和解と非常に類似した意味でしばしば用いられます。

しかし、示談は、厳格な法律用語ではありません。

民事上の紛争を、法律上の手段をとらずに、当事者の話し合いや第三者の仲介により解決し、互いに争いのない状態にしたことを確認する行為を広く呼ぶ言葉として用いられています。

刑事事件などでも、刑事手続に乗せずに合意で解決する方法として示談という言葉が使われます。

示談で済ませたいなどと言う言葉もよく聞きます。

多くの場合、示談書は、和解契約書と同様の効力を持ちます。

 

 

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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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