HOME 〉FAQ 〉Q.民事裁判の弁論の再開とは?
法律相談イメージ

FAQよくある質問

相談の予約、お問い合わせは 0120-141-961

FAQ(よくある質問)

 

Q.民事裁判の弁論の再開とは?

民事裁判では、弁論の終結、判決という流れで進められます。

弁論の終結後、判決前に、新しい主張・立証などをしたいという場合に、弁論をもう一度させてほしいと再開の申請をすることがあります。

今回は、この弁論の再開について解説します。

この記事は、

  • 弁論終結後、判決前に主張・立証したい人
  • 民事裁判の流れを知っておきたい人

に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2023.8.7

 

弁論の再開とは

民事裁判では、裁判所は判決言い渡しまでの間、終結した弁論の再開を命ずることができるというのが民事訴訟法153条です。

民事裁判は、弁論や弁論準備期日を重ね、証拠調べなどをして、十分な審理ができたら、終結します。その後に、裁判官が主張や証拠を検討し、判決を書きます。

この終結後に、もう一度、弁論を開き、当事者に主張や立証を許すのが弁論の再開という制度です。

 

弁論が再開される理由は?

一般的には、当事者にさらに主張等をさせる必要が生じた場合などに弁論が再開されると言われます。

多くの場合には、当事者から希望します。

当事者が弁論を再開したいと上申書を提出した場合、新しい主張や新しい証拠が検討され、結論が変わりそうかどうかを確認した上で、弁論を再開するかどうか判断されることになるでしょう。

 

弁論再開は、裁判所の裁量

終結した弁論を再開するかどうかは裁判所の裁量とされています。

当事者が、再開の上申書を提出しても、裁判所が再開する必要はないのです。そもそも、拒否の決定をする必要もありません。

上申書の性質は、裁判所の裁量判断を促すものに過ぎないとされます。

実際にも、再開の申請がされても、再開しないで判決になる事件の方が多いと言われています。

ただし、弁論を再開するのが相当であるのに再開しなかった場合には、裁量権の逸脱とされることもあります。

最高裁昭和56年9月24日判決でそのように判断をされています。

 

弁論再開に関する最高裁判決

最高裁判所第1小法廷昭和56年9月24日判決です。

弁論再開をしないで判決をした控訴裁判所の措置が違法だと判断されました。

弁論再開が認められなさそうな場合には、この判例と比較してみると良いでしょう。


弁論再開の前提となる関係

亡Aは、本件不動産につき上告人のためにされた本件各登記がいずれも登記原因を欠き、実体上の権利関係に適合しないものと主張。上告人を相手に抹消登記手続を求める訴えを提起。

これに対し、上告人は、A又はAより一切の権限を与えられていた養子である被上告人から代理権を授与されたBが、不動産につき譲渡担保設定契約、抵当権設定契約、代物弁済の予約を締結したと主張。

仮に、代理権を有しなかつたとしても、A又はAの代理人である被上告人が、Bに実印及び本件不動産の権利証を交付することにより、Bに右代理権を与えたと主張。

仮に、これらの事実が認められないとしても、Aの代理人である被上告人は、Bに対し、A所有の土地を訴外会社に売り渡す契約の締結及びその所有権移転登記手続を委任していたところ、Bがその権限を超えての各契約を締結したものであるが、上告人にはBに権限があると信ずる正当な理由があったとして表見代理を主張。

上告人の主張は、直接のやりとりをしていたのは、Bという人物であるものの、Aやその養子から権限を与えられていたり、表見代理だと主張していたわけですね。

 

弁論の再開申請の理由

Aは、本件訴訟が原審に係属中の昭和54年7月15日に死亡。

訴訟代理人がいたため訴訟手続は中断せず、かつ、訴訟承継の手続もとられないまま、訴訟はAを当事者として進められ、原審は、同年10月30日の口頭弁論期日において弁論を終結。

判決言渡期日を同年12月25日と指定。

ところが、上告人は、原審に対し、同年11月7日、Aが死亡したことを知り、後日、口頭弁論再開申立理由書を持参する旨を記載した口頭弁論再開申請書と題する書面を提出。同月14日、Aが死亡したことを証する戸籍謄本を添付した口頭弁論再開申立書及び被上告人はAの死亡により同人の権利義務一切を承継したから自己ないしBの行為につき責任を負うべきである旨を記載した準備書面を提出。

しかるに、原審は、口頭弁論を再開せず。

証拠に基づいて、被上告人(養子)は、Aとの養子縁組前に、Aに無断で、本件不動産のうち各土地をAの名でBを代理人として訴外会社に売り渡し、かつ、その登記手続履行のため、Bに対し、Aの実印、印鑑登録証明書、各土地の権利証を交付した、

ところが、Bは、A及び被上告人に無断で、Aの代理人と称してCから500万円を借り受け、当時Aの先代Dの所有名義となつていた各土地につきA名義の相続登記手続を経由してその権利証を入手するとともに、各土地につきCのために抵当権設定登記手続を了した、

そして、右借入れの事実をAに知られることをおそれたBは、Aの代理人と称して上告人から1000万円を借り受け、そのうち500万円をCに支払って抵当権設定登記の抹消登記手続を経たうえ、Aの実印及び本件不動産の権利証を冒用して上告人のために本件各登記を経由した、との事実を確定

事実関係のもとにおいては、Aは被上告人に対し本件不動産に担保権を設定することを含む一切の権限を委任したことはなく、また、Bに対しても直接代理権を付与したこともなかったものであり、BがAの実印及び本件不動産の権利証を所持していた事実をもつて授権の表示とみることはできない旨判示し、上告人の前記抗弁をすべて排斥して、本訴請求を認容。

 

 

最高裁判所は弁論再開すべきとの判断

最高裁は、いったん終結した弁論を再開すると否とは当該裁判所の専権事項に属し、当事者は権利として裁判所に対して弁論の再開を請求することができないことは当裁判所の判例とするところと確認。

しかしながら、裁判所の裁量権も絶対無制限のものではなく、弁論を再開して当事者に更に攻撃防禦の方法を提出する機会を与えることが明らかに民事訴訟における手続的正義の要求するところであると認められるような特段の事由がある場合には、裁判所は弁論を再開すべきものであり、これをしないでそのまま判決をするのは違法であることを免れないというべきであるとしました。

本件についてみるに、事実関係によれば、上告人はAが原審の口頭弁論終結前に死亡したことを知らず、かつ、知らなかつたことにつき責に帰すべき事由がないことが窺われるところ、本件弁論再開申請の理由は、帰するところ、被上告人がAを相続したことにより、被上告人がAの授権に基づかないでBをAの代理人として本件不動産のうちの一部を東洋埋立資材株式会社に売却する契約を締結せしめ、その履行のために同人の実印をBに交付した行為については、Aがみずからした場合と同様の法律関係を生じ、ひいてBは右の範囲内においてAを代理する権限を付与されていたのと等しい地位に立つことになるので、上告人が原審において主張した表見代理における少なくとも一部についての授権の表示の表見代理における基本代理権が存在することになるというべきであるから、上告人は、原審に対し、右事実に基づいてBの前記無権代理行為に関する民法109条ないし110条の表見代理の成否について更に審理判断を求める必要がある、というにあるものと解されるのである。

この主張は、本件において判決の結果に影響を及ぼす可能性のある重要な攻撃防禦方法ということができ、上告人においてこれを提出する機会を与えられないまま上告人敗訴の判決がされ、それが確定して本件各登記が抹消された場合には、たとえ主張どおりの事実が存したとしても、上告人は、該判決の既判力により、後訴において右事実を主張してその判断を争い、本件各登記の回復をはかることができないことにもなる関係にあるのであるから、
このような事実関係のもとにおいては、自己の責に帰することのできない事由により右主張をすることができなかつた上告人に対して右主張提出の機会を与えないまま上告人敗訴の判決をすることは、明らかに民事訴訟における手続的正義の要求に反するものというべきであり、したがつて、原審としては、いつたん弁論を終結した場合であつても、弁論を再開して上告人に対し右事実を主張する機会を与え、これについて審理を遂げる義務があるものと解するのが相当であるとしました。

原判決は破棄、差し戻しという結論となりました。

 

相続発生という事情により、表見代理の主張内容が変わることから、これは判決に影響があってもおかしくない状況です。そのような事情であれば、弁論を再開すべきだったとされたわけです。

 

民事裁判の主張・立証は早めに

民事裁判の弁論が終結されてしまい、不利な判決が出ると、これを争うには、控訴など、上の裁判所への不服申立となります。しかし、控訴審で判決が覆る可能性は高くはないです。

そのため、判決前に、主張・立証が不十分と感じる場合には、弁論を再開してもらい、しっかり主張・立証をしておくべきといえます。

特に、本人訴訟で、弁論が終結されてしまったと相談され、主張・立証が十分に裁判所に伝わっていないために結審されていると感じることはよくあります。

このような場合、途中から弁護士に代理人を依頼して、弁論が再開されることはあります。

また、十分な答弁書を出さずに、結審されてしまい、判決言渡し前に弁護士に依頼して、弁論再開の申立をすることもあります。

いずれの場合でも、結審前に、当事者が十分な主張・立証をしていないようなケースでは、比較的、再開の申立も通りやすいです。

弁論再開を希望している人は参考にしてみてください。

 

 

民事裁判に関する法律相談は以下のボタンよりお申し込みできます。

 

相談の予約、お問い合わせは 0120-141-961

弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

ジン法律事務所弁護士法人のロゴオフィス

ジン法律事務所 弁護士法人

代表者:弁護士 石井琢磨

〒243-0018
神奈川県厚木市中町4-14-3
雅光園ビル702号室

TEL:046-297-4055

 

<主要業務エリア>

神奈川県の地図

クリック 相談予約

ジン法律事務所弁護士法人Webサイト

厚木本店

6/11相談会開催

 

横浜駅前事務所

6/13相談会開催

Zoom相談予約


動画配信中↓↓



ページトップへ