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FAQ(よくある質問)

 

Q.生命保険契約の解除とは?

生命保険など保険に関する紛争も多いです。多くは保険金の支払いをめぐっての紛争になりますが、その過程で、保険契約が成立しているのか、また解除になっているのか等が問題になるのです。

そこで、今回は、生命保険契約の仕組み、成立過程、解除事由などを整理しておきます。

この記事は、

  • 保険金請求で争われている人
  • 保険会社の対応に不満な人

に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2023.10.12

 

保険契約とは

保険についての法律には、保険法や保険業法があります。

保険の仕組みは、事故や死亡など同じリスクに晒された人々が共同で保険料や掛金を支払います。これらの支払われたお金を通じて実際のリスクである保険事故が発生した場合に、その人に保険金を支払う制度です。

保険契約は、一般的な法律として「保険法」に規定されています。

保険法は民法の特例法として位置づけられています。

そのため、保険法で規定されていない事項については民法も関連して考慮する必要があります。

保険紛争の場合には、まず、保険法を確認し、その後、民法を検討する流れです。

保険契約には、損害保険契約、生命保険契約、傷害疾病定額保険契約の3つの分類が存在します。

 

保険契約の当事者

命保険契約の当事者には、「保険者」と「保険契約者」の2つがあります。

保険者は、保険給付を提供する責任を負う者です。通常は、保険会社です。

保険契約者は、保険料を支払う義務を負う者です。

生命保険契約において、契約の当事者以外に、被保険者という立場がいます。

保険事故(被保険者の死亡または一定の時点での生存)に関連する者です。被保険者は自然人に限られます。

家族が亡くなった場合の生命保険を、別の家族が契約者となるようなケースです。

さらに、生命保険契約においては、保険金受取人が契約者とは別に決められることもあります。

 

生命保険契約の種類と分類

法的には、生命保険契約にはいくつかの種類があります。

一般的な生命保険のイメージが、死亡保険です。「死亡保険契約」は、被保険者の死亡を保険事故とする契約で、死亡時に保険金が支払われます。

一方、「生存給付保険契約」というものもあります。これは、被保険者が一定の期間まで生存していることを保険事故とし、その期間が終了した際に保険金が支払われます。生存給付保険契約は単独ではほとんど販売されず、通常は「生死混合保険契約」として販売されます。これは養老保険契約とも呼ばれます。この契約では、生存給付保険契約を基本とし、保険期間途中で被保険者が死亡した場合、それまで支払った保険料の総額が死亡保険金として支払われることがあります。

生命保険契約の分類方法としては「自己のためにする生命保険契約」(保険契約者と受取人が同一の場合)、または「第三者のためにする生命保険契約」(保険契約者以外の第三者が保険金受取人の場合)に分類されます。

自己のためにする契約は保険契約者が被保険者である場合が一般的です。

第三者のためにするは、民法でも規定されている契約類型です。民法では受益の意思表示が必要とされています。

しかし、生命保険契約では保険金受取人による受益の意思表示は必要ありません。

生命保険イメージ

 

保険契約の成立と告知義務

法律問題では、生命保険契約の成立が争われることもあります。多くの場合、保険契約者の立場の人が保険契約が成立しているとして保険金を請求するも、保険会社が成立を争うという構図です。

そこで、どのように生命保険契約が成立するのか確認してみます。

生命保険の成立の際に問題になるのが、告知義務です。

生命保険契約は保険契約者が保険に加入したい旨を申し込み、保険者がそれを承諾することで成立します。保険契約者は自身や被保険者の情報を保険者に告知する義務があります。

これは健康状態などリスクに関する情報も含みます。告知義務は保険契約成立前に履行される必要があります。保険者は告知を受けて申込内容を確認し、通常は承諾、拒否、または特別条件を付けて承諾のいずれかを選択します。


生命保険契約では、保険代理店の勧誘が問題になることも多いです。保険契約者が直接やりとりをするのが代理店の担当者ということも多いので、代理店担当者とのやり取りが保険会社とのやりとりになると考える人もいます。

しかし、法的には、代理店の立場は、生命保険契約の締結の媒介権限しか与えられていません。

生命保険募集人は、保険契約者からの告知受領権を有しないとされます。そのため、代理店に対して告知をしても、告知義務を履行したことにはならないとされます。

 

 

保険料の金額と支払

保険契約では保険料が前払いとなることが一般的です。

ただ、生命保険など長期契約の場合、保険料は平準化され、毎年・毎月など支払われます。

生命保険の場合、被保険者の健康状態が保険料に影響するため、年齢とともに保険料が上昇するのが通常です。

保険料のなかには、純粋な保険料のほかに、付加保険料と呼ばれるものが含まれています。純保険料は保険給付の対価として支払われ、付加保険料は手数料や事務費用に充てられます。経費が上乗せされていることになります。


保険会社による保険契約の承諾

保険契約申込みに対し、保険会社が承諾すると、通常、保険証券が発行されます。

これが保険契約の承諾の通知とされます。

一般的な、保険の約款でも、保険契約の申込みに対する承諾の通知は、保険証券の発行によりされるものと規定されています。

 

責任遡及条項と承諾前の死亡

このように保険契約は成立するわけですが、その前後で保険事故が発生した場合、保険金が払われるのか、保険が成立しているのか問題になります。

責任遡及条項とは、保険会社の責任は告知義務の履行または最初の保険料支払いのいずれか遅い時点から開始されるとの規約です。つまり告知と保険料を払っていれば、保険金を請求できる可能性があるのです。契約が成立する前から責任が始まるという条項があるのです。

承諾前死亡の問題は、保険契約申込者が告知義務を履行し、保険料を支払ったものの、保険会社が承諾する前に被保険者が死亡してしまった場合の問題です。このような場合、保険契約が成立するのかについての議論です。保険会社は承諾していない以上、申し込みを拒否すれば、保険金支払いの責任がなくなりそうです。

一般的に、被保険者が保険適格性を有していた場合、保険者は信義則に従い申込みを承諾すべきとされます。保険契約申込者は申し込み時点で保険契約の利益を受けられるだろうと期待するでしょうし、保険会社も保険料を受領しているなどの事情からです。

 

保険契約の解除

保険契約者による解除は、契約成立後、保険契約者が任意に契約を解除できる場合があります。ただし、一定期間や条件の下で解除を認めない場合もあります。
契約者が解除した場合、未経過部分の保険料や積立部分のお金が返還されることがあります。解約返戻金と呼ばれます。

自己破産や個人再生、離婚での財産分与などではこの解約返戻金部分が保険の財産として取り扱われます。


告知義務違反による解除

保険契約者は保険契約を解約しやすいのですが、保険会社からの解約は制限されます。一方的に保険会社が解約、解除jできるとすると、保険の仕組みが成り立ちません。ただ、一定の場合には、保険会社は解除できます。

契約者や被保険者が故意または重大な過失により告知義務に違反した場合、保険会社は契約を解除できます。

この告知義務違反による解除や保険金の不支給が、保険契約の紛争では非常に多く、裁判例等も多く出ている問題点です。保険事故が起きて、保険金を出すかどうか保険会社が調査したところで告知義務違反が見つかるというパターンで問題になります。
解除の効果は通常、将来効とされますが、保険契約解除時までに発生した保険事故について、保険会社は保険給付の責任を負わないのが原則です(59条2項1号本文)。

ただし、告知義務違反と事故との間に因果関係が存在しない場合には保険者は給付責任を負うことがあります。

 

なお、生命保険契約時に、保険会社が告知義務違反の事実を知り、又は過失によって知らなかったときは、保険会社は告知義務違反による解除ができないという制限もあります。

生命保険募集人は、保険媒介者とされ、保険媒介者による告知妨害、不告知教唆の場合も解除が制限されます。

保険紛争では、このあたりの立証がポイントになります。

 

重大事由による保険契約解除

保険契約が解除される場合の一つに重大事由によるものもあります。

保険者との信頼関係が破壊された場合、保険会社は重大事由による契約解除を行使できます。

具体的な事由としては、保険法57条1号ないし3号に規定されています。

たとえば、保険契約者又は保険金受取人が保険金取得目的で被保険者を死亡させ、又は死亡させようとしたときは、保険者はその生命保険契約のほか、他の死亡保険契約に関しても、重大事由による契約解除ができるなどの規定です。

 

被保険者の解除請求

死亡保険契約では、被保険者も、特定の要件を満たせば、解除請求権を行使できます。

保険契約者以外を被保険者とする死亡保険契約では、被保険者の同意が必要です。そうしないと怖い事件が起きそうだからですね。

ただ、契約が成立した後に、被保険者が同意を撤回することは認められていません。

被保険者は、保険契約者に対して死亡保険契約の解除を請求できます。

解除事由は、保険法58条1項1号ないし3号に書かれています。

たとえば、離婚や離縁に伴う親族関係の終了という事由があります。

家族に保険をかけていたものの、離婚になった、それなのに保険が続いていると怖いという理由ですね。

 

保険契約の無催告失効条項

生命保険契約には、無催告失効条項が設けられている場合があります。この条項は、契約者が保険料を支払わない場合、所定の保険料支払猶予期間を経過した後、契約が失効することを規定しています。

無催告失効条項があることで、保険契約者は保険料の支払いを怠ると、契約が自動的に失効する可能性があります。ただし、この失効には一定の期間と督促の過程が組み込まれており、通常は契約者に対して連絡や通知が行われます。

 

無催告失効条項が消費者契約法10条に違反するかどうかについては法的な争点があります。
一般的には、無催告失効条項は消費者の利益を一方的に害するものではないとされています。なぜなら、通常、保険料未払いに関する連絡や通知が行われ、保険契約者に支払いの督促が行われるためです。
また、保険料未払いによる契約失効は、信義則に反するものではないとされています。

失効した生命保険契約を復活させる制度が一般的に設けられています。通常、復活期間は失効から3年程度のことが多いです。
復活制度を利用する場合、未払保険料の支払いと告知義務の履行が必要とされます。また、復活に際して、自殺免責条項の適用が再度開始されることがあります。

 

契約解除と失効とは異なります。

契約解除の場合には、保険を復活させようとすれば、新しく契約を締結する必要があります。

その場合、契約締結時の被保険者の健康状態や年齢から、再度、保険料等が決まります。

これに対し、失効後の復活の場合には、失効前と同じ内容の契約が維持されます。

 

債権者差押による解除

保険契約については、当事者以外が解除するケースがあります。これが差押えの場合です。

保険契約者の債権者が生命保険契約における解約返戻請求権を差し押さえた場合、債権者は契約解除の権利を行使できることがあります。

この場合、保険金受取人の権利を保護するために介入権制度が導入されています。

介入権制度により、債権者の行動が保険契約に影響を及ぼすことが制限されます。

 

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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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