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FAQ(よくある質問)

 

Q.DV防止法の改正ポイントは?

DV防止法による保護命令が、令和5年に改正されています。

保護命令を強化する改正となっていますので、改正点を解説しておきます。

この記事は、

  • 保護命令の利用を考えている
  • DV被害者

に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2023.10.26

 

DV防止法令和5年改正の要点

いわゆるDV防止法が改正されましたので改正部分を解説しておきます。

配偶者による暴力の増加が止まらないことなどが原因で、規制強化の方向での改正です。

利用できる被害者の範囲の拡大や保護命令の期間延長などが盛り込まれています。

新しい規定の大部分は、令和6年4月1日から実施される予定です。

各改正点を解説していきます。

 

保護命令制度の強化

DV防止法で使われる保護命令制度に改正が入りました。

過去の制度では、身体的な暴力や脅迫を受けた被害者だけが保護命令を申し立てることができました。

この命令には、加害者に対する接近禁止、通信手段を用いた連絡の禁止など、5つのカテゴリーがありました。しかし、近年のDVの状況を考慮すると、この制度の強化は必要だと考えられていました。

そこで保護命令制度が改正の対象となりました。

 

接近禁止命令の対象範囲の拡大

精神的・性的な暴力に関する議論が過去の改正でも行われてきました。

今回の改正で、重篤な精神的被害を受けた場合も、接近禁止命令等の申し立てができるようになりました。現行法は、申立人を、身体に対する暴力を受けた者と生命又は身体に対する加害の告知による脅迫を受けた者としています。さらに、「自由・名誉又は財産に対する加害の告知による脅迫」を受けた者も追加されました。

具体的には、例えば暴力以外の脅迫行為や、プライバシーの侵害を伴う脅迫行為などが含まれるようになりました。

 

また、接近禁止命令等の要件に精神的被害の観点が追加されました。

これまでは「身体に対する暴力」により「生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいとき」とされていた
要件がありました。

この点について「更なる身体に対する暴力又は生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対する脅迫」により「心身に重大な危害を受けるおそれが大きいとき」と改正されています。

規制行為となる脅迫の対象が名誉や財産にも及ぶ点は、刑法の脅迫罪と同じ表現となっています。脅迫罪における解釈が使われる可能性は高そうです。

「重大な危害」は、通院加療を要する程度の危害とされています。

申立時に医師の診断書を添付する必要があるでしょう。

これにより、精神的被害も接近禁止命令等の要件を満たす可能性が高まりました。具体的には、うつ病やPTSDなどの精神的な症状で治療を必要とする場合、それがDVから来るものであれば、命令の対象として考慮されるようになりました。

 

精神的な暴力とは

脅迫罪の行為は、精神的暴力とも言われます。

身体的な暴力よりも広く捉えられる曖昧な概念のため、どのようなものが当てはまるのかは争われやすいです。

内閣府男女共同参画局のサイトでは、DVにおける精神的な暴力の例として、

・大声でどなる

・「誰のおかげで生活できるんだ」「かいしょうなし」などと言う

・なぐるそぶりや、物をなげつけるふりをして、おどかす

などが挙げられています。

https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/dv/02.html

接近禁止命令等の期間が長くなった

改正前、接近禁止命令等の期間は6ヶ月とされていました。

しかし、調査の結果、6ヶ月が経過しても被害者が依然として危険にさらされる可能性があることが明らかになっていました。

そこで、期間が1年に延長されました。

未成年の子に関しては、養育環境の変化によって、要件を欠くようになった場合に命令を取り消すことが可能になる制度が新たに設けられました。取り消す場合には、被害者の意見を聴く手続きが入ります。

 

電話等禁止命令の対象行為の拡大

電話やメールなどの通信手段の進化やSNSの普及を反映して、禁止対象行為が拡大されました。

以下の内容が追加されています。

・緊急時を除く連続したSNS等の送信。
・深夜・早朝のSNSの送信。
・ 性的な羞恥心を引き起こす電子的記録の送信。
・ GPS機器を用いての承諾なしの位置情報の取得や、GPS機器等の無許可の取り付け

従前の規制では、無言電話のほか、緊急時以外の連続した電話、FAX送信及び電子メール送信でしたが、文書の送付とSNS等による通信文等の送信も追加されました。当事者間で、このような手段で連絡を取ることが増えているため規制するツールを増やしたものです。

被害者のブログ等への書き込みや、SNSのマイページへのコメント行為も規制対象となっています。

性的蓋恥心を害する文書はもともと規制対象でいたが、電磁的記録の送信等を追加する規定です。

GPSに関する承諾については、当初は合意して情報共有していても、関係悪化により、それ以降の位置情報の共有を断ると伝えても取得する行為も「承諾なし」とされます。

特にGPS機器の使用に関する規制は、最近の技術進化を受けた対策として追加されたものです。

相談の中で、妻からのGPS機器の取り付けに困っているという内容もあり、この制度の利用を検討できることになります。

 

 

被害者と同居する未成年の子への電話等禁止命令

この新たな命令は、被害者の子供に対する恐怖や脅迫を避けるためのものです。

接近禁止命令が発令された状況で、被害者の子供への連続した通信(電話、メール、SNS等)が行われることで、被害者や子供がさらなる恐怖に晒され、再び加害者との接触や同居を余儀なくされるリスクが考えられます。

また、子が怖がって配偶者のところに戻ってしまうと、被害者が配偶者に会いに行くしかなくなってしまい、接近禁止命令の意味がなくなってしまいます。

この命令は、そのような状況を未然に防ぐためのものです。

 

退去等命令の期間の特例

退去等命令は、命令を受けた者を住居から退去させて被害者を保護する制度です。

ただ、命令を受ける側も、自宅から出ていかなければならなくなるなど居住する権利等を大きく制限するものです。

そのため、退去期間を2ヶ月としていました。

今回、退去等命令の期間に関する特例が導入されました。

これは、被害者が住居を単独で所有・賃借している場合に、退去期間を2ヶ月から6ヶ月へと延長できるようにするものです。

被害者が権利を持っている物件については、加害者の権利制限の程度が小さいことから、期間を長くすることができるようになりました。

 

保護命令違反の厳罰化

命令に違反した場合の罰則が厳しくなりました。

改正前:1年以下の懲役または100万円以下の罰金

改正後:2年以下の懲役または200万円以下の罰金

 

その他の改正点

その他に、被害者の自立を支援するための施策が強調されています。

これには経済的支援、就業の支援、住宅の確保、法的支援、被害者の子への支援などが含まれています。これらの施策の実施には、関連する機関や団体の連携が不可欠です。

配偶者からの暴力の防止や被害者の保護を図るため、関係機関等から構成される協議会を法定化しています。

協議会の事務に関する守秘義務などが規定されています。

関連する機関や団体が連携・協力して取り組みやすい仕組みの一つといえます。

民事訴訟手続について法改正によってデジタル化が進められていることもあり、保護命令手続も、デジタル化の規定の整備が進められることとなっています。

 

DV防止法令和5年改正の施行期日

改正法の施行は令和6年4月1日を予定しています。

特定の規定については、前述した民事訴訟手続のデジタル化を考慮して施行されます。

経過措置に関して、保護命令事件の申し立て時点が改正前であれば改正前の法律が、施行日以降であれば改正後の法律が適用されます。
なお、施行日前に発令された保護命令が施行日後に違反された場合、改正後の罰則が適用されることに注意が必要です。罰則に関する経過措置は設けられていないことによります。

 

さらに、施行後3年間の実施状況を基に、必要に応じて法律の再検討を行う規定が設けられています。

 

 

 

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