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FAQ(よくある質問)

 

Q.戸籍のふりがな法改正とは?

新たに戸籍に氏名の振り仮名を記載する制度が始まります。

これは、私たちの名前をより正確に表記し、読み間違いや混乱を防ぐための改正です。この記事では、この新制度について詳しく解説し、どのように対応すれば良いのかを説明します。

この記事は、

  • 氏名のふりがな法改正について知りたい人
  • 氏名の読み方が特殊である人

に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2024.5.27

 

戸籍氏名のふりがな改正

今まで戸籍には氏名のふりがな、読み方については書かれていませんでしたが、法改正により記載されることになりました。

今回の法改正の背景には、デジタル社会の進展とともに氏名の正確な表記が求められる場面が増えていることがあります。例えば、役所の手続き、学校の名簿、病院のカルテなど、さまざまな場面で正確な氏名の表記が重要です。

ところが、氏名のふりがなについては、戸籍には記載されていません。戸籍には漢字が書かれているだけなのです。

そのため、読み間違いや記入ミスが生じるリスクがあるのです。

戸籍上もふりがなを記載することで、このリスクを減らすのが改正の趣旨です。

 

氏名の振り仮名とは?

氏名の振り仮名とは、私たちの名前の読み方を示すものです。

例えば、「石井琢磨」という名前の場合、「いしいたくま」という振り仮名が付きます。これにより、他人が名前を正しく読めるようになります。

 

氏名の変更と振り仮名の変更

氏名を変更する場合、その振り仮名も変更されることが一般的です。

しかし、振り仮名のみを変更したい場合でも、家庭裁判所の許可が必要となります。これは、振り仮名が個人の識別において重要な役割を果たすためです。

 

外国人配偶者の氏名に変更する場合

外国人と結婚した場合、その配偶者の氏名に変更することができます。

現行戸籍法では、外国人と婚姻した者は婚姻の日から6か月以内に限り、家庭裁判所の許可なしにその氏を外国人配偶者の称している氏に変更できます。この場合、変更する氏は外国人配偶者の称している氏であり、その振り仮名も届け出る必要が出てきます。

例えば、英語圏の配偶者の姓が「Smith」であれば、「スミス」という振り仮名を届け出ます。

 

届出期間と対応

新制度施行後1年以内に振り仮名を届け出る必要があります。

氏の振り仮名については筆頭者がおこないます。

戸籍の中には筆頭者が死亡しているなど除籍されている場合もあります。このような場合には、戸籍法14条による氏名の記載順序に従うとされます。第二順位として同籍している配偶者、配偶者も除籍されている場合には、次いで同籍し
ている子という順番で届け出をすることになります。

この期間内に届け出をしない場合、市町村長が振り仮名を決定し、戸籍に記載します。おそらく一般的な読み方で記載されることになります。市町村からは事前通知がされるという話もあります。

また、市町村長により記載された振り仮名の場合、一度に限り、家庭裁判所の許可を得ずに、届出のみで変更することができるとされています。

 

振り仮名の届け出の流れ

この届け出については、市町村から案内があるはずですが、次のような流れで進むことが予想されます。

新制度では、氏名の振り仮名を戸籍に記載するために、まず市町村役場に届け出る必要があります。

具体的には、以下の手順を踏むことになりそうです。

1.届け出書の提出: 市町村役場で所定の届け出書を記入します。ここには、氏名の振り仮名を記入する欄があります。
2.本人確認書類の提示: 運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を提示するよう求められる可能性があります。戸籍附票の住所での郵送で本人確認が十分とされる可能性もありますが、戸籍に関する事項のため、何らかの本人確認がありそうです。
3.受付と審査: 市町村役場で届け出書が受理され、内容が確認されます。読み方の問題です。
4.戸籍への記載: 振り仮名が戸籍に記載されます。

 

一般の読み方以外の振り仮名

届け出をする振り仮名は、その読み方として一般的なものでなければならないとされています。

このようなな制度が始まると、適当な振り仮名を届け出ようとする愉快犯が出てきそうですが、原則として認められないことになっています。

ただ、基準としては曖昧なので、通達などである程度の基準が出されることになるでしょう。

戸籍に記載される氏名の振り仮名は、漢字の読み方に準じたものとし、特殊な読み方が認められる場合には家庭裁判所の許可が必要です。

一般の読み方以外の振り仮名を使用している場合、その振り仮名を届け出ることができます。例えば、「高橋」という姓を「たかはし」ではなく「たかばし」と読んでいる場合、その読み方を届け出ることができます。

一般の読み方以外の振り仮名を届け出る場合、その振り仮名が通用していることを証明する書面を提出する必要があります。例えば、学校や職場でその読み方が使用されていることを示す書類です。

 

届け出の不受理

振り仮名を届け出た結果、一般の読み方に該当しない、かつ、通用していることを証する書面の提出がないとして、要件を欠くとされると、届出は不受理となるでしょう。

届出が受理されなかった場合には、戸籍法122条により不服の申立てをすることになるでしょう。

 

家事事件手続法の改正

家庭裁判所での審判事項に、振り仮名の変更が追加されました。

これにより、振り仮名の変更も、氏名の変更と同じように家庭裁判所の取り扱いとなります。

 

施行期日

新制度は、公布後2年以内に施行される予定です。施行日が近づいたら、市町村役場や家庭裁判所での手続きについて詳細が発表されるでしょう。

改正法としては、令和5年6月2日、戸籍に氏名の振り仮名を記載することなどを含む戸籍法(昭和22年法律第224号)の一部改正を含む「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和5年法律第48号)が成立し、同月9日に公布されています。

 

 

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