FAQよくある質問
FAQ(よくある質問)
Q.Zoom勧誘は電話勧誘販売になる?
電話での突然の勧誘で契約してしまい、後悔した経験はありませんか?
特に18~20代の若者が被害に遭いやすい電話勧誘販売は、我が国では「特定商取引法」で厳しく規制されています。
本記事では、電話勧誘販売とは何か、事業者が守るべきルールから消費者を守るクーリングオフ制度、そして具体的な対処方法から、Zoomでの勧誘が電話勧誘販売とされた裁判例まで紹介します。
この記事は、
- 電話勧誘販売の被害にあった人
- Zoomで勧誘を受けた人
に役立つ内容です。
電話勧誘販売の消費者トラブル
電話勧誘販売とは、事業者(お店や会社)が消費者に電話をかけて商品やサービスの契約を勧める販売方法です。
突然の電話で強引に契約させられてしまい、後から「しまった、契約しなければ良かった」と後悔する消費者トラブルが後を絶ちません。

特に18~20代の若者が大人になって契約できるようになると、こうした電話勧誘の被害が急増する傾向があります。
そこで、消費者を守るために制定されたのが「特定商取引法」という法律です。
この法律は、訪問販売や電話勧誘販売など消費者トラブルが生じやすい取引を対象として、事業者が守るべきルールや消費者を救済するルール(クーリングオフ等)を定めています。
特定商取引法の目的は、事業者による違法・悪質な勧誘行為を防止し、消費者の利益を守ることにあります。電話勧誘販売は訪問販売と同様に不意打ち性が高い取引類型とされ、消費者が冷静に判断しづらいため法律で厳しく規制されています。
具体的な規制内容としては、事業者には事前に社名や勧誘目的を名乗る義務、不実な説明や威圧的な勧誘の禁止、契約時の書面交付義務などが課されます。
そして消費者には、契約後でも一定期間内であれば無条件で契約を解除できる「クーリング・オフ(Cooling-off)」という強力な権利が認められています。
このクーリングオフ制度こそ、電話勧誘販売でトラブルに遭った消費者を救済する重要な手段なのです。
電話勧誘販売とは
電話勧誘販売とは、文字通り「電話による勧誘」で契約の申し込みを受ける販売形態のことです。
特定商取引法では、事業者が電話で勧誘を行い申込みを受ける取引を電話勧誘販売と定義しています。
ポイントは事業者からの電話によって契約を持ちかけられることです。
例えば、自宅にいるときに突然業者から電話がかかってきて、「○○という商品が安く買えますよ」「今だけの特別なサービスがあります」とセールスを受け、その場で「じゃあお願いします」と申込み(契約)をしてしまうケースが典型です。
電話口で口約束でも契約は成立してしまうため、そうした取引を法律で「電話勧誘販売」と位置付けています。
また、一度電話を切った後であっても、消費者がハガキや別の電話で申込みをした場合には、その元になった電話勧誘を含めて電話勧誘販売とみなされます。
つまり、「電話で勧誘→いったん保留→後から申込み完了」という流れも電話勧誘販売に該当します。これは、事業者側が電話で勧誘した事実に変わりがないためです。
事業者から電話をかけさせるケースも対象になる点にも注意が必要です。
特定商取引法では、消費者の方から事業者に電話をかけた場合でも、それが実は事業者の仕掛けによって電話をかけさせられたようなケースであれば電話勧誘販売に当たると規定しています。
例えば、テレビCMやインターネット広告で商品の宣伝を見て自分から電話した場合でも、広告で告知されていない別の商品を電話口で勧められて購入したような場合です。
事前に知らせずに「電話してください」と誘導し、電話した消費者にその場で予期しない商品を売り込む手口は、事業者から直接電話してきたのと同じくらい不意打ち性が高いため、法律上「電話勧誘販売」に含め適用する趣旨になっています。
実際に、テレビショッピングで注文の電話をしたら別の商品も買わされてしまったというケースでは、その別商品の契約は電話勧誘販売としてクーリングオフが認められるとの解釈が示されています。
要するに、「自分から電話したからクーリングオフできない」とあきらめる必要はなく、事業者の誘導による電話勧誘であれば保護される可能性があるのです。
通信販売との違い
なお、電話を使った取引でも通信販売に分類されるものもあります。
通信販売とは、消費者が新聞・ネットなどの広告を見て自ら申し込みをする取引のことです。
広告に価格や契約条件が明示され、単に消費者が郵便やネット経由で注文するだけの場合は通信販売とされます(電話勧誘販売に該当するものを除く)。
通信販売は消費者が自発的に申込む取引で不意打ち性が低いと考えられるため、法律上はクーリングオフ制度の対象外です。
例えば、ネット通販やテレビ通販でこちらから電話やWebで注文した場合は、基本的にクーリングオフはできません(業者の自主的な返品制度に頼ることになります)。電話勧誘販売か通信販売かは紛らわしい場合もあるので、契約形態をよく確認しましょう。
電話の範囲
最後に、「電話」の範囲について補足します。
現在ではLINEやZoomなどインターネット回線を使った通話(音声通話やビデオ通話)も普及しています。
通常の電話回線による電話以外に、IP電話やskype、LINE通話であっても「電話」になるとされています。

Zoomのようなオンライン会議システムで行われた勧誘も、その経緯によって電話勧誘販売に該当し得るとされています。
したがって、「直接の電話じゃないからクーリングオフできない」とはならないので安心してください。
このように電話勧誘販売は形を変えて身近に潜んでおり、消費者は常に注意が必要です。
クーリングオフとは
クーリングオフ制度とは、簡単に言えば「契約してしまった後でも、一定期間内であれば無条件で契約をなかったことにできる」制度です。
特定商取引法では訪問販売や電話勧誘販売など6つの取引類型についてクーリングオフが認められており、電話勧誘販売もその一つに含まれます。
契約後に冷静になって考え直し、「やっぱりやめたい」と思ったときに、理由を問わず一方的に契約を解除できる消費者保護の仕組みです。
通常、契約というものは双方の合意がなければ解除できません。しかし、クーリングオフは事業者の意思にかかわらず一方的に契約を解除できる非常に強い権利です。
事業者側から見ると大変厳しい規定なので、行使できる期間(クーリングオフ期間)は法律で限られています。
電話勧誘販売の場合、原則として契約書面(法定書面)を受け取った日を含めて8日以内であればクーリングオフが可能です。
例えば、事業者から契約内容が書かれた書面を2月1日に受け取ったなら、その日を1日目と数えて2月8日までに手続きをすれば間に合います。
期間内であれば「やっぱり契約をやめます」と書面等で伝えるだけで契約解除OKです。
事業者に解約の理由を説明したり、説得されたりする必要は一切ありません。
クーリングオフの効果
クーリングオフが成立するとどうなるかも確認しておきましょう。
クーリングオフを行った場合、その契約は最初から無かったことになります。
すでに商品を受け取っている場合は事業者負担で返品しますし、サービスを受けた場合も料金を請求されることはありません。
前払いした代金があれば全額返金されます。
法律上、事業者はクーリングオフに伴う損害賠償や違約金を請求することは禁止されています。つまり、一切のペナルティなしで契約を白紙撤回できるのがクーリングオフなのです。
「そんな勝手な!」と業者は思うかもしれませんが、それだけこの制度は消費者救済のために強力なものとなっています。

クーリングオフの条件
ただし、クーリングオフを行うにはいくつか条件や例外があります。
電話勧誘販売の場合の主なポイントは次のとおりです。
8日以内に行うこと
クーリングオフ期間は契約書面を受け取った日から起算して8日間です。この期間を過ぎると原則としてクーリングオフできなくなるので注意しましょう。
もし期間を過ぎてしまった場合でも、他の法律(消費者契約法など)で契約を取り消せるケースもありますが、クーリングオフよりも争われやすいです。まずは8日以内に行動することが肝心です。
書面(または電磁的記録)で行うこと
クーリングオフはハガキ等の書面、あるいは電子メールなど電磁的記録によって行うと法律で定められています。
電話口で「やめます」と口頭で伝えるだけでは正式なクーリングオフにならないとされています。

契約書面を受け取っていること
8日間の起算点となる法定書面(契約内容やクーリングオフ方法が記載された書面)を事業者から受け取っていることが前提です。万一、業者が書面を渡してこない場合や、書面に必要な記載事項が欠けている場合は要注意です。その場合、法律上は書面を受け取ったことにならないため、クーリングオフ期間が進行しません。
言い換えれば、業者がきちんとした書面を交付しない限り、たとえ8日どころか何ヶ月経っていようとクーリングオフできる余地が残るのです。
実際に「重要な事項が書かれていない不備な契約書しかもらえなかったので、数ヶ月後でもクーリングオフが有効と認められた」という裁判例も多いです。
業者の中には悪質にも「書面を渡さずに8日間やり過ごそう」としたり、「わざとクーリングオフの説明を抜かした書類」を渡したりする例がありますが、そうした行為は違法であり無意味です。書面不交付・不備の場合はいつでも解約できることを覚えておきましょう。
一部の例外商品・取引
法律で定められた特定の場合には、電話勧誘販売で契約していてもクーリングオフが認められません。
代表的な例として、他の法律で規制されている不動産取引のほか、自動車購入、葬儀費用などがあります。
また、一定の消耗品(化粧品や健康食品など政令で指定された消耗する物品)を開封・使用してしまった場合も対象外です。
これらは電話勧誘販売や訪問販売共通の例外事項ですので覚えておきましょう。
営業目的の契約は対象外
クーリングオフはあくまで消費者保護の制度です。そのため、自分が事業者として(営業のために)結んだ契約には適用されません。
例えば、自分でお店を経営していて業務用の商品を電話で注文したような場合、それは商取引となり特定商取引法自体が適用されないためクーリングオフもできません。
同様に、個人間の取引やオークションでの購入など、特定商取引法の枠外の取引にはこの制度は使えないことに注意しましょう。
以上が電話勧誘販売におけるクーリングオフ制度の概要と条件です。
要点をまとめると、電話勧誘で契約したらまず書面を受け取り、内容を確認すること。そして契約をやめたいと思ったら受け取ってから8日以内に速やかに書面で通知することが大切です。期間内であれば無条件で解約できますので、「こんな契約しちゃってどうしよう…」と一人で悩まず、まずはクーリングオフできるか確認しましょう。
クーリングオフの手続き
それでは実際に「クーリングオフしよう」と決めた場合、具体的にどのような手続きをすれば良いのでしょうか。
ポイントは期間内に、書面で意思表示を発信することです。そのための一般的な手順を、分かりやすく解説します。
①通知書(手紙)を作成する
まず、契約を解除する意思を伝える通知書を作ります。
ハガキでも封書でも構いません。書類には次のような事項を盛り込んでください。
契約日(申込日)– その電話で契約(申込)をした日付です。契約書に書いてある日付を写すと確実です。
販売会社名と担当者名 – 契約した相手の事業者(会社や店の名前)と、電話で対応した営業担当者の名前が分かれば記載します。担当者名は分からなければ省略可ですが、通知先の会社名は正確に書きましょう。
商品名やサービス名 – 契約した商品や権利、サービスの名前を記載します。例えば「○○(商品名)購入契約」といった形です。複数契約がある場合は全て書き出します。
契約金額 – 支払い予定だった金額です。これも契約書等から正確に写しましょう。
「契約を解除(クーリングオフ)します」の文言 – クーリングオフ制度を使って契約解除する旨を明記します。
文章例としては、「私は○年○月○日に○○社と締結した△△の契約について、本書到達をもってクーリング・オフ(契約解除)いたします。」などと書くと良いでしょう。難しい言い方でなくても、「契約を解除したい」旨が明確に伝われば大丈夫です。
発信日(通知書を書いた日付)– ハガキや手紙を書いた日付を入れます。
法律上、クーリングオフはこの発信日をもって効力が生じる(=期間内なら発送さえすれば間に合う)とされています。
契約者本人の住所・氏名 – 契約したあなた自身の住所と氏名を最後に書きます。捺印は不要ですが、念のため書類と同じ署名を書くと確実でしょう。
以上の項目を漏れなく書いたら、宛先として契約相手先の会社名(および担当部署など)も明記します。ハガキの場合は裏面に宛名を書き、封書の場合は封筒表面に宛先を書きます。
② 通知書を送付する(記録を残す)
書面が用意できたら、期限内に発送しましょう。
発送方法は重要です。口頭ではなく書面で通知する以上、相手に確実に届いた証拠を残すことが肝心です。具体的には、郵便局の方法で記録が残る形で送るのが安心です。
おすすめは簡易書留郵便や特定記録郵便です。これらは郵便局でオプションとして付けるもので、発送の記録や配達の記録が残ります(追跡番号が付与され配達状況を確認できます)。ハガキを出す場合でも封筒に入れて簡易書留にすることができます。特定記録郵便なら配達記録のみですが、簡易書留なら万一郵便事故があった場合の補償も付きます。多少費用はかかりますが、安全には代えられません。
さらに確実を期すなら内容証明郵便+配達証明という方法もあります。
内容証明郵便は、郵便局が「この文面をこの日に差し出した」という証明をしてくれるサービスです。郵便局に3通同じ書面を用意して持ち込み利用します。
内容証明に配達証明を付ければ、相手に届いた事実と日時も公的に証明されます。

費用は千数百円程度かかりますが、事業者と言い分が食い違った場合の強力な証拠になります。
そこまでしなくてもクーリングオフ自体は有効ですが、特に高額な契約の場合や相手が悪質な場合は検討すると良いでしょう。
③控えや証拠を保管する
通知を出したら終わり、ではなく手続きの控えを大切に保管しましょう。具体的には次のようなものです。
書いたハガキや手紙のコピー(写し)– ハガキなら両面をコピーしておきます。どんな内容で通知したか後から確認できるようにします。
郵便局で受け取った郵便の控え – 簡易書留や特定記録の場合は受領証がもらえます。内容証明の場合は内容証明の控え(郵便局が押印したコピー)と配達証明のハガキなどが手元に残ります。それらは発送日や到達日を示す重要な証拠なので無くさないようにしましょう。
契約関係書類一式 – 手元にある契約書、領収書、注文書の控え、クレジット契約書の控え(もしクレジット払いの場合)なども全て保管します。クーリングオフ後に万一トラブルになった場合、交渉や相談の際に必要になります。
④(クレジット利用の場合)クレジット会社にも通知
電話勧誘販売では、商品代金をクレジット払いにしているケースも多いでしょう。
その場合、販売会社との契約をクーリングオフすれば信販会社(クレジット会社)とのクレジット契約も合わせて無効になる決まりですが、念のためクレジット会社にも契約解除の通知を出します。販売業者宛てに送ったものと同じ内容のハガキを、クレジット会社宛てにも送付しましょう(送り先住所はクレジット契約書に記載されています)。
このときも書留等で送付し、記録を残してください。クレジット会社に通知しておくことで、以後の引き落とし請求を止めたり、既払い金の返金手続きがスムーズになります。
⑤その他の注意点
クーリングオフ通知を出す際の細かい注意として、契約相手が複数いる場合は全てに通知する必要があります。例えば、販売会社A社との契約と同時に、関連会社B社との間で保証契約を結んでいたような場合には、A社・B社両方にクーリングオフ通知が必要です。一方だけに出して安心…では不十分なので気をつけましょう。
また、8日間という期限は発送ベースで考えられますが、できれば期限ギリギリではなく余裕を持って手続きしてください。書面の不備で差し戻されたりするとトラブルの元です。少しでも「やめたい」と思ったら躊躇せずすぐ行動するのが鉄則です。
不安な場合は家族や消費生活センターに相談しながら進めると安心です。
電話勧誘販売の注意点と実例
最後に、電話勧誘販売に関する注意点と、知っておきたい実例をいくつか紹介します。
特に若い世代の方は、「自分は大丈夫」と思っていても思わぬ手口で契約させられてしまうことがあります。被害に遭わないために、そして万一遭っても適切に対処できるよう、以下の点を押さえておきましょう。
事業者の言葉をうのみにしない
勧誘してくる業者の中には、「この契約はクーリングオフできませんよ」と平気で嘘を言う者もいます。
「一度注文したらキャンセル料がかかる」などともっともらしく言われても、訪問販売や電話勧誘販売であれば基本的に8日以内は無条件解約可能です。
法的に定められたクーリングオフ妨害行為であり、そうした嘘や威圧的な引き止めは違法です。
仮に「できない」と言われても決してあきらめず、「特定商取引法でクーリングオフできるはずです」と毅然と対応しましょう。
業者がそう言ってクーリングオフさせず期間を過ぎさせようとした場合、期間は延長される可能性があります。泣き寝入りせず消費生活センター等にすぐ相談してください。
契約書類とクーリングオフの記載を確認
電話勧誘で契約すると、多くの場合後日郵送などで契約内容を書いた書面(法定書面)が送られてきます。電子契約の場合にはメール等を確認し契約書ファイルは保存しておくようにしましょう。
この中にクーリングオフについての説明も必ず記載されているはずです。
法律で決まった書面記載事項として、「8日以内なら書面または電子メール等で契約解除できること」「妨害された場合は期間が延びること」「クーリングオフは発信した日付で有効になること」「クーリングオフしても損害賠償や違約金は請求されないこと」等の要件及び効果の記載が必要とされます。

もし契約書にこれらの説明が全く書かれていなかったり、ごく不十分な内容しか書かれていない場合は、その書面は法律の要件を満たしていません。その場合はクーリングオフ期間が進行しない(=いくら時間が経っても権利消滅しない)ので、落ち着いて対応しましょう。
逆に、契約書にきちんと書かれている場合は期限を忘れずに実行します。いずれにせよ契約書類は隅々まで目を通し、怪しい点があれば早めに相談機関に確認することが大切です。
典型的な勧誘の手口を知る
若者に被害が多い電話勧誘のパターンとして、いくつか典型的な手口があります。
その一つが「楽して儲かる副業を紹介する」という勧誘です。
例えば、SNSで知り合った人から「誰でも月10万円稼げる副業があるよ」などと誘われ、まず1万円ほどの情報商材(マニュアルのようなもの)を購入させるケースがあります。
その後「もっと詳しく教える」と言われ電話やオンライン通話で話をすると、「サポートに50万円かかるが、消費者金融で借りてもすぐ返せるくらい稼げる」と持ちかけられ、言われるままネットで借金までして振り込んでしまった…という事例があります。
当然そんなうまい話はなく、高額な支払いだけが残ってしまいます。
この例ではSNSでのやりとりから最終的に通話で勧誘されていますが、まさに法律の想定する電話勧誘販売に当たり、電話やオンライン通話で契約させられた50万円のサポート契約はクーリングオフが可能です。
実際に同様の情報商材トラブルで、ウェブ会議ツールを用いた勧誘であっても電話勧誘販売としてクーリングオフ適用すべきだと示されたケースがあります。
若者を狙う悪質業者は、「今の生活で満足してるの?もっと稼げるよ」などと言葉巧みに誘ってきますが、安易に信じないようにしましょう。少しでも怪しいと感じたら、きっぱり断る勇気も必要です。
他にもこんな電話勧誘に注意
上記の他にも、電話勧誘には様々な悪質商法があります。例えば「光回線や電力会社を変更しませんか」といった勧誘電話です。
大手企業を装って電話をかけ、「手続きが必要」「今より安くなる」などと言って契約変更を迫る手口があります。
興味が無ければ個人情報(契約番号や住所など)を教えず、毅然と断りましょう。実際、「検針票に書かれた番号を教えてと言われて伝えたら勝手に契約を切り替えられてしまった」という相談も増えています。
このように電話勧誘には色々なパターンがあります。
少しでも変だと感じたら、「今は決められません」「必要ありません」と電話を切る勇気を持ってください。しつこい相手には着信拒否や番号変更も検討しましょう。不安に思った段階で消費者ホットライン(局番なしの188)に相談するのも有効です。
ZOOMの勧誘事例
消費者法ニュース144号で紹介されていた裁判例があります。
ZOOMによる無料セミナーで、「営業手法についての研修と教材販売」の勧誘が行われた契約でした。
特定商取引法の電話勧誘販売に該当するとしてクーリング・オフが認められた事案として紹介されています。
大阪地方裁判所令和7年1月17日判決です。
業者が消費者を訴えた事件でした。被告は大学3年生。
原告主催のZOOMを利用する無料セミナー(営業能力を高めるための研修)に参加。
セミナーで、被告は原告から無料の個別コンサルティングを勧められます。
セミナー翌日のZOOMによる個別コンサルティング。その個別コンサルティング中に勧誘を受けて、合計12時間の営業手法についての研修とその教材購入の契約を締結。販売代金297万円、分割手数料296万円、合計593万円(180回分割支払い)という高額なものでした。いや、高すぎますね。

記事によれば、被告はいつでもクーリング・オフができると個別コンサルティングの担当者から聞いていたので、のちにクーリング・オフをするつもりで、勧誘から逃れるために契約締結に応じたとのこと。
こういう理由でとりあえず契約してしまう人の話はよく聞きます。
被告は契約締結の2日後にクーリング・オフの通知。
しかし、業者が本件はクーリング・オフができない契約であると主張して、売買代金の支払いを求めて訴訟提起したという経緯です。
訴訟での争点は、
①ZOOMでの勧誘による契約締結の場合に電話勧誘販売に該当するか、
②本件は営業のためにまたは営業として締結されたものとして特商法の適用除外に当たるか、という2点でした。
判決は、争点①については、ZOOMも電話と同じとして、電話勧誘販売と判断しました。

「電話とは、一般に、音声を電気信号等に変換して送受信し、隔地者間での通話を可能にする通信方法をいうものと解される。そうすると、音声と映像の送受信による通信方法は、音声の送受信に関する部分については電話と同様の機能を有し、これに加えて映像の送受信による通信が可能になったものといえる。そして、特定商取引法が電話勧誘販売を規制の対象としている趣旨は、電話による勧誘には、不意打ち性、密室性、勧誘の執拗性、即決の強要等の問題が生じるからであるところ、これらの問題は、音声の送受信による通信に映像の送受信による通信が加わっても変わらずに発生するといえる。そうすると、音声の送受信による通信に映像の送受信による通信が加わったからといって、当該通信方法を電話勧誘販売の規制の対象から除外すべき理由はない。」と述べられています。
また、「原告は、本件契約の締結について勧誘することを告げずに被告に本件個別コンサルティングに参加することを要請したものと認められ、そのような要請によって本件個別コンサルティングに参加した被告に対し、本件契約の締結を勧誘してこれに応じさせているのであるから、本件契約による商品の販売又は役務の提供は電話勧誘販売に該当する。」と判示されました。
争点②について、原告がインターンシップは業務委託によるフルコミッションの営業であると主張しましたが、裁判所は否定しました。
「Aのインターンシップに有能な大学生を卒業後に採用することを目的にしている面があったとしても、それはAに限らず、インターンシップを実施している企業一般に当てはまる目的と考えられる。また、Aにそのような目的があったからといって、Aインターンを経験した大学生が実際にAに就職するとは限らず、本件において、被告が卒業後にAで営業を行うことを予定していたことを認めるに足りる証拠もない。したがって本件契約の締結が被告の開業準備行為に当たるとはいえず、原告の上記主張も採用することができない。」と述べ、原告の請求を棄却しました。
ご相談をご希望の場合には、お電話または相談予約フォームよりご連絡ください。
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