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自己破産ケース紹介

 

海老名市の自己破産事例

20代女性

20代 / 女性 / 主婦

借入の理由:結婚前のショッピング、交際費


海老名市にお住まいの20代女性のケースです。

エポスカードなど3社に対し、負債総額約230万円の借金が払えずに相談に来ました。

主な借金の理由は、結婚前に利用したショッピング代や交際費です。

この記事は、

  • 高額の住宅ローンに苦しんでいる人
  • 自宅が競売にかけられた後も債務が残った人

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.16

デパートで勧誘、ショッピング利用

勤務先の近くのデパートで勧誘されてクレジットカードを作りました。デパートによる提携クレジットカードの勧誘です。そのデパートでの購入時には、ポイントがもらえるなどして、お得になるため、勧誘されてそのまま作る人も多いです。

その後交通費や化粧品、洋服などの日常的なショッピングに利用をしていました。


支出の多い時は、返済額が手取り収入の4分の1程度になることもありました。

ですが、当時は実家に住んでいたこともあり、生活費として実家への負担額は、月に2万円程度でした。


そのため、カードの返済額も収入から払える範囲で利用できていました。

クレジットカード利用による支出増

現金で払うよりも、クレジットカード払いの方が、人間の脳は痛みを感じにくいという研究結果があります。

そのため、カード払いのほうがお金を使いやすくなります。

デパートなどが提携クレジットカードを展開しているのは、ショッピング売上を増やすためです。

ポイント目的で買い物を増やしてしまうと、返済が厳しくなります。


また、カード展開の目的のもうひとつは、利息収入を得るためです。

キャッシング利息やリボ払い手数料も、カード会社の大きな収入になります。系列のクレジットカード会社であれば、デパートだけでなく、カード会社も利益を得られるという構造になっています。

そのため、熱心に勧誘してくるものです。

実家への生活費負担

実家に住んでいると、生活費や食費などとして収入の一部を家に入れる人が多いです。


数年前に行われた住宅情報サイトの調査によると、実家暮らしの約7割の人が実家へお金を入れ、月2~5万円程度の金額を入れている人が多いという結果となったようです。


月5万円の支出と考えると高いと感じるかもしれませんが、一人暮らしをするよりだいぶ安価な金額です。
相談者の場合、新入社員としては平均的な収入を得ていたので、一人暮らしよりも収支状況にも余裕があり、当初はきちんと返済できていたようです。

キャッシングの利用開始

今度は自宅から近いファッションビルで勧誘を受け、購入する際に割引などの特典があるので、そのファッションビルの会社のクレジットカードを作りました。


クレジットカードには、ショッピング機能だけでなく、キャッシング機能もついていました。

最初はキャッシングには抵抗があって利用はせず、ショッピングのみで利用をしていました。


しかし、友人の結婚式のご祝儀などで現金が足りないことがありました。
その際、自分の通帳から引き出す感覚で借入をするように。

カードでお金を引きだす点は同じですが、クレジットカードとキャッシュカードでは全く異なります。
キャッシュカードは自分の通帳から自分のお金を下すことができるのに対し、クレジットカードでお金を下すということは、現金を借りるということ。


つまり、借金であり、利息を付けて返さなければいけないお金です。


自分の通帳から引き出す感覚では、「つい」「うっかり」で遣いすぎてしまい後が怖いです。

なお、20代だと、友人の結婚式の費用という理由で、借金を始めた人をよく見かけます。

一定の友人がいる場合には、ご祝儀貯金をしておかないと危ないといえます。

交際費の支出

また、職場の先輩からの誘いで、かなりの頻度で食事会が行われました。


仕事にも影響が出ると思い参加していましたが、1回の出費が数千円となるため、お金が足りなくなると都度キャッシングを利用して借り入れをするようになりました。


翌年には返済のために、もともと持っていた口座の銀行のカードローンの契約をし、借入れを行うようになりました。


職場の先輩からのお誘いとなると、後輩からしてみると断るのにも勇気が要ります。


しかも2日に1回くらいのペースで行われていたようです。


この付き合いだけでもかなり支出が増えてしまい、いくら実家暮らしといえど収支バランスが崩れてしまったのでしょうか。


相談者も、このままではいけないと思い、できる限り支出を抑えるように努力をし、借金を増やさないように返済を続けました。

借金を秘密にしての結婚

その後、結婚。

結婚してからも、そのまま会社に勤務し続けました。


夫から家計の管理は任されていたこともあり、夫には内緒で家計からも支払い続けました。


ですが、妊娠が発覚し、仕事を退職することになりました。


相談者自身の収入は無くなったため、今まで通りの額を返済することは厳しくなり、借金をして返済をするような状態が続いていました。

妊娠により収入減

出産した子どもがある程度大きくなったら、職に就いて収入を得て返済をしようと考えていましたが、再び妊娠しました。


持っていたバッグや靴など身の回りの物をフリマサイトで売り、得た収入を返済の一部に充てました。


自身が収入を得られる目途も立たず、夫の給料から支払をするのも限界となりました。


2人目を出産すると子どもにかかる費用が更に増えてしまいます。


そのため、このまま返済し続けることはできないと考え、事務所へ相談に来られましたが、その結果支払不能だとわかりました。

同時廃止・免責許可

海老名市にお住まいの方でしたので、横浜地方裁判所へ自己破産申立をしました。


夫の給料の中から返済できないかとの指摘があったので、借金の大半が結婚前の支出であり、借金に厳しい夫に借金があることを話すと家庭崩壊の恐れがあるために夫からの協力は得られないと報告しました。

自己破産について、夫婦家計で作ってしまった借金については、配偶者の資力なども自己破産の要件を判断する際に考慮されますが、このように結婚関係とは異なる原因の場合には、本人の事情のみで判断されるべきです。

今回のケースでは、夫に秘密での自己破産申立てを希望されており、そのような事情も裁判所に伝えたうえ、自己破産の判断をしてもらっています。


免責不許可事由はないものとされ、免責が許可されました。


家族に事情を話せない方の自己破産に関するご相談も無料で受け付けています。

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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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