事例紹介
自己破産ケース紹介
病気による自己破産事例
60代 / 女性 / パート
借入の理由:病気、自営業、生活費
厚木市にお住まいの60代女性のケースです。
夫婦でやっていた自営業の売り上げが伸びずに借入を開始。しばらくして離婚した娘と同居することになり、娘からも生活資金を借りるようになりました。
その後も債務が増え続けるなか、夫が病気に。約220万円の返済の目処が立たなくなり相談に来られました。
この記事は、
- 家族からの借入をしてしまっている
- 自分や家族の病気により返済が難しくなった
という人に役立つ内容です。
自営業がうまくいかずに借入
数年前まで県外に住み、夫婦でマッサージ業を営んでいました。
しかし、売り上げは芳しくなく、二人あわせて年間300万円ほどの売り上げしかありませんでした。
相談者は以前に任意整理をして60万円ほどの過払い金を回収したことがありました。
そのお金も尽き、家賃が支払えない状態になると再び消費者金融から借入を始めました。
借りたり返したりを繰り返していましたが、債務はだんだん増えていきました。
過払金を回収できたということは、過去には、利息制限法を上回るほどの高金利を払えていたわけですが、収入自体が落ち込んでいる状態では、借金は重くのしかかってきます。
娘からの借入
その後、神奈川県に引っ越してきました。
娘が離婚して2人の子どもを引き取ったので、一緒に住んで育児の手伝いをするためでした。
自営業もうまくいかなかったため、これを畳んで新しい生活をスタートさせようという気持ちでした。
娘の社宅に5人で暮らすことになりました。
相談者はパートを始めましたが、もともとお金がない状態で引っ越してきたこと、引っ越し後に夫に定職が見つからなかったことから、相談者夫婦の生活費は足りなくなっていきました。
最初のうちは持っていたカードで借入をして生活費に充てていましたが、そのうち、カードでまかないきれない生活費やカードの返済資金を娘から借りるようになりました。
金額は毎月5万円ほどで、その原資は、娘が自分の子どものために積み立てていたお金でした。
相談者夫婦も娘には申し訳なく思っていたようですが、消費者金融からの借入も多く、その返済をすると生活費だけで手一杯になってしまい、娘にはほとんど返済できない状態でした。
別のカードを作り、債務も増大
あるとき、カードを作ると8000ポイントがもらえるというテレビCMを見て、楽天のクレジットカードを作りました。ちょうどその頃、夫の車の車検が切れたので中古車を買い替えることになり、その楽天カードのショッピング枠23万円を使って車を購入しました。
楽天カードではその他にも、生活必需品等の購入に利用しており、債務はさらに増えていきました。
リボ払いによって、徐々に借金が増えてしまったのです。
楽天カードは、楽天経済圏とも呼ばれるように、賢く使うとオトクなことも多いです。
しかし、どうしてそんなサービスができるのか、といえば、利益が出ているから。その利益は、キャッシングでの利息や、リボ払いの手数料です。
楽天カード側からすれば、このような利益を生み出す方に顧客を誘導したくなります。リボ払いが安心というメッセージを出し、使いやすくするのです。
深く考えないと、このような利用開始によって、高い手数料の支払や、借金が増えていくことになります。
夫の病気による借入増
その後、夫が病気にかかってしまい、手術をすることになりました。合計3回手術をし、かかった費用は約20万円でした。
高額療養費制度を利用したいと思いましたが、当時、国民健康保険料を滞納してしまっていました。そこで娘からお金を借りて、滞納していた23万円を支払いました。
入院費が払えず、支払不能に
夫は退院しましたが、入院費を支払うお金がなく、娘のカードを利用して支払いました。
自分たちでの借金ができない状態で、家族に借金してもらうという状態に。
娘からは「今度どちらかが倒れても、もう出せるお金がない」と言われました。娘にはすでに多額を借りており、これ以上迷惑をかけることはできませんでした。
また夫は半年後にも手術をする予定があり、継続的に仕事をできるような体の状態ではありませんでした。
そのようななかで借入の返済目処が立たず、法律相談に来られました。相談の結果、法テラスを利用して破産申立をすることになりました。
自己破産での必要書類一覧
今回の申立時には以下の書類を提出しました。
- 三菱UFJ銀行等の預金通帳、預金取引推移表
- ゆうちょ銀行の預金通帳、通帳未記入金内訳書
- 生命保険の保険証券
- 生命保険の解約払戻金計算書
- 給与明細 2か月分
- 非課税証明書
- 建物賃貸借契約書
- 夫の給与明細
- 娘の給与明細
- 娘の三菱UFJ銀行の預金通帳(家計支出資料)
- 携帯電話料金支払い領収書
- 夫の自動車の車検証
病気による自己破産
自己破産をする原因の中でもよくあるのが病気です。
自分自身の病気によって収入がなくなったり、家族の病気により家計全体の収入が減ってしまい、借金をしたり、これを払えなくなってしまうという事情です。
病気については予防が有効なものの、確実に避けられるものでもありません。そのため、自己破産をする原因の中では、比較的問題になりにくい理由となります。
今回のケースでは、夫婦では十分な収入が得られないことから、家族と同居し生活コストを下げたのは正解だったといえます。養育の助けにもなっていたといえるでしょう。
しかし、娘からの借入については、将来の子のための貯蓄取り崩しなどもあり、問題の先送りだったといえます。病気にならなかったとしても、返済ができていたかといえば、微妙だったといえるでしょう。
金額が少ない時点で任意整理をして支払利息を圧縮することで、自己破産を回避できたかもしれないと感じた事例でした。
厚木市にお住まいの方でしたので、横浜地方裁判所小田原支部での手続きとなりました。
ご自身やご家族の病気が原因で自己破産を依頼される方も多いです。ご相談は無料で受け付けています。
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