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ケース紹介

 

発信者情報開示請求訴訟の事例

風俗掲示板での発信者情報開示請求訴訟の事例です。

匿名での名誉毀損、誹謗中傷があった場合の最初のステップが相手を特定することです。

その最初の手続として行われる訴訟が発信者情報開示請求訴訟です。

 

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.9.7

 


風俗掲示板の発信者情報開示請求訴訟

風俗トラブルの一つに、匿名掲示板での名誉毀損等があります。

風俗嬢や風俗店舗から、損害賠償請求をするための前提として、発信者情報の開示請求がされることも増えています。

匿名の投稿者に対する請求の場合、段階として、発信者情報の開示手続きをして、発信者が特定できれば、名誉毀損等による損害賠償請求をするというものです。

なかには、発信者の特定後、店舗からの営業損害を理由に損害賠償請求がされることもあります。

今回は、この初期段階の発信者情報開示請求訴訟が起こされたという相談がありました。

 

発信者情報開示請求訴訟の被告

発信者情報開示請求訴訟では、掲示板などに記載した発信者は被告になりません

その発信者の情報を開示してほしいという裁判ですので、被告にはまだならないわけです。

発信者情報開示請求訴訟の被告になるのは、インターネット接続方法などを提供している会社です。

接続プロバイダなどと呼ばれることもあります。

ドコモなどの携帯電話会社や、固定インターネットサービスを提供している会社が含まれます。

今回の相談では、このような通信会社からの依頼で発信者情報開示請求訴訟に対応しています。

 

 

接続プロバイダの対応

このような訴訟を提起された通信会社のスタンスとしては、定型的な争い方をし、裁判所の判決が出れば、発信者情報を開示するというものです。

何も争わずに判決が出されると、逆に発信者から訴えられるリスクがあるため、発信者が拒絶しているのに、任意に情報を開示することはほとんどありません。

原告側の主張が、この類の裁判で求められている要件を満たしていない場合には、それを指摘して争っていくという流れです。

原告側がしっかりした主張・立証をするのであれば短期間に終了することがほとんどです。

 

風俗嬢誹謗中傷の開示情報請求での争点

風俗嬢に対する名誉毀損、誹謗中傷を理由とする発信者情報開示請求訴訟での争点は、ほとんどの事件で似ています。

請求する原告側としては、当然、その点をフォローしていないとまずいです。

まず、掲示板のスレッドと風俗店の結びつけが必要です。

通称名などのスレッドの場合、それが特定の風俗店について話題にしていることを示す必要があるでしょう。

そうしないと、投稿記事について、スレッドに投稿されたものではあるが、このスレッド名が何を指しているのか不明であると反論されます。

 

風俗嬢の特定、同定可能性

次に、問題となった投稿記事が、原告に向けられたものであることを示す必要があります。

これは、他の発信者情報開示請求訴訟でも同じですが、風俗嬢の場合、本名ではなく、源氏名での誹謗中傷になることがほとんどなですので、この結びつけが必要になります。

ここが不十分であると、投稿記事が何者を指すかも不明であると反論されます。

 

投稿による権利侵害

問題となる投稿記事が、どのような文脈でされたものかも特定する必要があります。

掲示板の投稿の場合、その投稿だけを切り取っても、権利侵害性が認められないこともあります。

ただ単に、発信者の意見を述べたものにすぎないものとされることもあります。

 

真実性の反論

投稿者から事実上、反論されることもあります。

発信者情報の請求を受けた接続プロバイダとしては、通常、投稿者に開示して良いかの意見照会をします。

その際に、投稿者から詳細な反論がされることがあります。

この場合、発信者情報開示請求訴訟の中で、そのような反論をすることもあります。

意見書などをマスキングして、証拠提出することもあります。

投稿者としては、そのような意見照会が来た時点で、弁護士に相談し、法的に有効な反論書面を作って接続プロバイダに出すという方法も有効なのです。

発信者情報開示請求の時点で、請求が否定されれば、損害賠償請求がされることもなくなってきます。

 

このような反論の中で、投稿記事に記載された摘示事実が真実であり、公共性があるような場合には、情報発信の必要性がある等の反論をすることもあります。

 

権利侵害の明白性について

風俗掲示板の権利侵害の明白性については、裁判例によって、かなりばらつきがあります。

しかし、軽い気持ちでしたような、流れに乗ってしたような投稿であっても、権利侵害が認められ、発信者情報開示請求が認められている裁判例も多いです。

風俗嬢の身体を侮辱するような発言を流れに沿ってした投稿で、権利侵害性が認められている事例もあります。

もちろん、その後の、損害賠償請求事件で、違法とされるか、どの程度の損害が認められるかは、また違う事件にはなりますが、発信者情報開示請求の時点では棄却されないことも多いものです。

 

風俗匿名掲示板の特徴

風俗に関する掲示板の特徴として、インターネット上の掲示板は、出所不明の戯言や単なる推測や噂の類を投稿者が好き勝手に投稿していることが多く、掲示板の読者もそれを認識した上で掲示板を閲覧していると指摘されることもあります。

一般的に、このような掲示板には特定の投稿をコピーアンドペーストしたような投稿が複数あるなどし、本件掲示板の読者は、投稿の内容を真実と考えることなく面白がり好き勝手に投稿していると、掲示板の読者は認識しているから、読者が事実だと認識することが少ないという反論です。

週刊誌などでも名誉毀損が認められていることから、このような主張は微妙ではありますが、媒体がどのような信頼を得ているかは、一つのポイントにはなるでしょう。

 

風俗嬢は連絡が取れなくなり休止

本件裁判では、原告代理人の弁護士が原稿であった風俗嬢と連絡が取れなくなり、再反論ができず、休止となりました。

その後も反応はなく、訴えは取り下げ扱いに。

Q.民事裁判の休止、再開とは?

 

偏見を持ってはいけませんが、多くの事件の相談を受けるなかで、風俗嬢の場合には、連絡が取れなくなってしまう人の割合が、多いという印象があります。

弁護士に依頼したものの、その後の反論対応などが煩わしくなってしまったのかはわかりません。

ただ、裁判では、発信者情報開示請求訴訟であっても、一定の打ち合わせは必要なことが多く、途中でこのような状態になってしまうと、代理人が辞任、本人も反応がなくなり、休止状態になってしまうこともあるのです。

 

関連リンク

誹謗中傷、削除請求


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