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FAQよくある質問

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FAQ(よくある質問)

 

Q.消滅時効の期間は?

借金が消滅することもある消滅時効の制度。

その時効期間が何年なのか、ケースによって違いますので解説しておきます。

この記事は、

  • 自分の借金は時効では?と考えている人
  • 自分の権利を時効にかけたくない人

に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.4.13


消滅時効とは?

消滅時効制度は、一定期間、債権を行使しなかった場合に、債務者がこれを援用すると、支払い義務がなくなるという制度です。

長期間、権利を使わないと、消されてしまうという制度です。


この一定期間というのがどの程度なのかというのは、債権の内容によって変わっています。

民法改正により、時効期間は5年に

この点については、民法が改正されています。
2020年4月に施行された改正法です。

改正前の債権については、従前の民法が適用されます。


以前は、債権の消滅時効期間は、基本的には10年間と決められていました。

また、貸金業者等の商事債権については5年間が時効期間と決められていました。

商法で特則が設定されていたのです。

さらに、民法では、請負代金の一部だったり、弁護士費用だったり、いろいろな債権について個別に短い時効期間が決められていました。

ややこしい

これらは、ややこしいということもあり、改正民法では、商事債権の特則などを廃止。

消滅時効期間は、民法166条によって、5年と10年の2段階にまとめられました。

債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。

時効消滅時効の起算点のスタート

権利を行使することができる時から消滅時効期間はスタートします。
基本的に、ここから10年間です。

ただし、債権者が、権利を行使することができることを知った時から5年で消滅時効期間が過ぎます。


知っていたかどうかがポイントになってきます。

貸金業者の借金などでは、時効管理はしているでしょうから、通常は、権利行使できることは知っていたとして、5年で消滅時効期間がすぎるとされています。

法改正はあったものの、貸金業者の借金では、結局、5年という運用になる見込みです。

これに対し、貸金業者ではなかった債権者は、以前は10年だったものが、5年に短縮されたことになります。

権利を行使することができる時

権利を行使することができる時というのは、法律的には、権利を行使するのに法律上の障害がなくなった時と定義されます。


返済期限等が決められている借金については、その期限が来ると、権利を行使することができる時となります。

「2021年12月1日までに返さなければならない」と決められた借金の場合には、これを過ぎると、時効期間がスタートします。

時効

期限の利益喪失とは

ただし、期限の利益喪失という問題があります。

これがあると、期限の前でも、時効期間がスタートします。

多くの貸金業者の借金等では、契約上、一定の事由があると「期限の利益を喪失する」という特約があります。


「期限の利益を喪失する」とは、その期限まで借金の返済を待たずに、一括請求できるというものです。

期限の利益、というのは、債務者側からみた表現で、そこまで待ってもらえる利益というイメージです。

期限の利益喪失事由には2種類ある

期限の利益を喪失するという契約の場合、2種類あります。


その事由が生じたら、当然に期限が到来するという事由があります。


当然喪失事由と呼ばれるものです。


これに対して、そのような事由が生じたときに、債権者が期限の利益を喪失させることが「できる」というような、請求によって喪失すると書かれている場合です。

前者の、当然喪失事由がある場合には、この事由が生じた時から時効がスタートします。
その翌日から時効期間の計算をしていきます。


債務者による破産手続開始の申し立てなどと書かれているような場合には、申し立てがされたことによって、この当然喪失事由が発生したということになります。

債権者の請求で期限の利益を喪失する場合

これに対して、後者の、請求によって期限の利益を喪失させることができるという事由の場合には、債権者が、全額の弁済を求めるような意思表示をした時からスタートすると裁判所は考えています。


この場合、基本的には、債権者によって、この期限の利益を奪うかどうかは自由とされています。
そして、この期限の利益を喪失させ、債権者が請求してきたときには、その時点から、借金の全額について消滅時効がスタートします。

期限の利益喪失と遅延損害金

一般的には、貸金の場合、期限までは利息がつくのに対し、期限の利益を喪失した場合には、遅れている状態ですので、遅延損害金の請求がされます。

利息よりも、遅延損害金の請求の方が高いことが多いです。

利息と遅延損害金


そうすると、期限の利益を喪失してしまうと、完済までには、遅延損害金をつけなければならず、総支払い額が増えてしまうという関係にあります。

借金をしている債務者からすると、期限の利益は喪失しないほうが良いのです。

ただ、消滅時効の関係だけでいえば、期限の利益を喪失してから時効期間が始まるので、早く喪失したと認定してもらったほうが良いという関係にあります。

期限の定めがない債権の消滅時効

期限がある場合には、このような消滅時効の起算点となります。

では、明確に返済期限などを決めなかった債権については、いつが時効のスタートになるのでしょうか。


これは、債権の成立の時とされます。


期限を定めなかった場合には、いつでも返還請求できるので、借金を貸した時から時効がスタートするということになります。

いつまでに返せというような返済期限を決めなかった場合には、貸した時から時効期間がスタートしてしまうのです。

病気でも権利を行使することはできる

消滅時効期間は「権利を行使することができる時」からスタートします。

「権利を行使することができる時」とは、法律上の障害がないことを示します。


事実上の障害は含まれないことになります。

事実上の障害があっても、考慮されず、消滅時効期間は進行します。

病気でも時効

例えば、債権者が、病気で入院していたために、債権の請求ができなかったという主張は、事実上の障害なので含まれません。
そのような事情があっても、時効期間は進行していきます。

 

時効期間の特則としての身体・生命損害

時効期間の特則としては、民法167条があります。

人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一項第二号の規定の適用については、同号中「十年間」とあるのは、「二十年間」とする。


人の生命又は身体の侵害に対する損害賠償請求権の消滅時効については、10年間とされている規定が20年間に延長されています。


なお、不法行為による損害賠償請求権の時効については、民法724条に規定があり、短期3年、長期20年とされています。

民法724条の2で、不法行為のなかでも、生命・身体損害による損害賠償請求権の短期時効期間は、3年ではなく、5年とされています。

そのため、生命・身体損害の不法行為でも、5年、20年という組み合わせとなっています。

生命や身体に対する損害というのは、非常に重要な権利侵害となるので、時効期間が伸びているものです。


生命身体損害

生命や身体に対する損害賠償請求権については、このような時効制度の特則以外に、差押さえや、自己破産の免責制度等でも特別の取り扱いがされています。

 

生命・身体損害の規定の違い

生命身体の侵害についての損害賠償請求権について、理論的には、債務不履行と不法行為では異なる規定となっています。

民法167条と724条の2の違いです。

条文上は、その起算点について、債務不履行では、債権者は権利を行使することができることを知った時から始まるとされています。

これに対して、不法行為では、損害及び加害者を知った時とされています。

このように、起算点に違いはあります。

ただ、時効期間については、債務不履行でも、不法行為でも、5年・20年という組み合わせとされています。

消滅時効の抗弁

消滅時効の主張を裁判等でする場合には、抗弁の主張となります。

相手方から、貸金請求などの裁判等を起こされた場合、消滅時効が成立しているのであれば、その主張をすることで、請求を棄却することができます。

その場合、

  • 時効期間が過ぎていること
  • 消滅時効援用の意思表示

を主張していくことになります。

この時効期間が過ぎていることのなかで、10年が過ぎているならそれを示し、5年の場合には、権利行使ができることを知っていたと主張していくことになるのです。

消滅時効援用の意思表示自体は、裁判手続きの中でもできます。

この場合、答弁書や準備書面で「上記時効を援用する」などと記載し、主張することになります。


 関連記事:借金の消滅時効を援用

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