取扱業務
名誉毀損による損害賠償請求
名誉毀損対応
名誉毀損の慰謝料金額の話です。
名誉毀損、プライバシー侵害等の『判例INDEX 侵害態様別に見る名誉毀損・プライバシー侵害300判例の慰謝料算定』という本で、かなりのデータが紹介されています。
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この本では、総論などなく、いきなり裁判例での金額紹介が始まります。
媒体ごとに分類されていて、認められた慰謝料額が高い順に掲載されています。
例えば雑誌、新聞、テレビ、ウェブ、チラシというように章立てされ、その中で、認定金額が高い順で載っています。
慰謝料請求をする際に、自分がどれぐらいの金額が認められそうか検索しやすいでしょう。
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マスメディアによる名誉毀損の慰謝料金額
では、名誉毀損の被害を受けたとき、どの程度の慰謝料が認められるのでしょうか。
紹介されている裁判例で、最初に取り上げられているのは週刊誌による著名人の名誉毀損。
これが一番高額で、1000万円です。
被害者は、横綱、有名女優、総理大臣など有名人の場合ですね。
名誉毀損の態様にもよりますが、大きな犯罪絡みや、弁護士、医師が被害者で数百万、多くの事件では数十万円という印象です。
新聞、書籍、テレビの媒体だと、ここからさらに下がる印象を受けます。
では、マスメディア以外ではどうでしょうか。
インターネット等の名誉毀損の慰謝料金額
著名事件の場合には、上記のような媒体で名誉毀損を受けることが多いでしょうが、一般人の場合には、ネットやチラシの方が多いでしょうね。
このあたりも、被害者がどんな立場か、名誉毀損の態様によって変わりますが、基本的には数十万円という認定が多いです。
共同経営している法律事務所の弁護士が、他の経営弁護士が不倫しているという情報を流して30万円という認定がされている事例もあります(東京地裁平成22年3月29日判決)。
こんな情報を流してメリットがあったのでしょうかね・・・
プライバシー侵害の慰謝料金額
名誉毀損以外だと、プライバシー侵害の金額も紹介されています。
名誉毀損より低くなる傾向にあります。
市役所の相談等でたまにあるのが、隣人同士でのプライバシー侵害。
防犯カメラを設置されて、それがプライバシー侵害ではないか、というもの。
こういうケースで10万円の認定がされています。
また、タクシー会社が、運転手の個人の携帯電話番号をお客さんに教えてしまって、色々と迷惑したということで30万円の認定がされている例もあります。
従業員の個人情報を第三者に伝えることでトラブルになることもあるわけですね。
裁判での慰謝料については、このような金額帯になっていますので、それを前提にどのように行動するか決めておくと良いかと思います。