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債務整理ケース紹介

 

海老名市での任意整理事例

50代女性

30代 / 女性 / パート

毎月の返済:8万→3万8000円


海老名市にお住まいの30代女性のケースです。

エポスカード、楽天カード、JCBなど3社に対し、負債総額約300万円の借金が払えずに相談に来ました。

この記事は、

  • 海老名市にお住まいで債務整理を希望している
  • 借金の返済ができないけど、自己破産はしたくない

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.29

債務整理前の支払金額

相談時には、エポスカード、JCB、楽天カードのクレジットカードで、キャッシング、ショッピングリボ払いなどの債務が約300万円ある状態でした。

毎月の返済額は、約8万円という金額。

手取り月収は、20万円を下回っており、返済が追いついていない状態でした。

別に奨学金等もありました。

奨学金で、保証人がついている場合、自己破産や個人再生を希望しない人も多いです。

自己破産や個人再生では、すべての借金を対象にしなければなりません。奨学金も借金です。

奨学金の返済も止めるので、保証人に請求が行ってしまいます。これに抵抗を感じ、任意整理を希望することがあるのです。

任意整理後の支払額

今回は、債務整理のなかで、任意整理による解決をしました。

任意整理は、1社1社と交渉し、金額を決めて分割払いにする合意を目指す方法です。

うまく行けば、将来の利息はかからず、完済までのスピードは早くなります。

また、毎月の返済額も下げられることが多いです。

今回のケースでは、当初の返済額は、毎月約3万8000円になっています。

債務整理前の支払は、約8万円からの、3万8000円なので、半額以下に減らせています。

 

任意整理の分割回数

任意整理では、一般的には、返済年数が3年から5年と言われます。

ただ、これは、交渉相手がどこか、また、その取引内容によって変わります。

最近では、貸金業者によっては、絶対に5年以内でなければ合意できないと主張するところもあったり、3年でなければ合意できないというところもあります。

消費者金融によっては、取引期間が短いと、3年の分割払いにも応じてもらえないこともあります。

逆に、クレジット会社は、比較的、長い年数の合意ができるところが増えています。

今回のエポスカードやJCBなども、比較的長い年数の合意が成立しやすい業者です。

 

任意整理の分割回数は時期によって変わる

このような分割可能な年数は、時期によって変わります

以前は、6年程度の分割払いの合意もできたのに、会社の方針が変わり、5年までしか合意できなくなったという会社も多くあります。

楽天カードなども、このような対応に変わっています。

そのため、ネット上での情報を見る場合には、いつの時期の情報なのか確認する必要があります。

古い情報をあてに任意整理をしようとすると、思ったより長期分割ができず、月額が高かったということもあります。

 

任意整理の分割回数は業者によって変わる

このように、業者ごとによって、合意できる分割回数の長さは変わってきます。

そのため、現在の任意整理では、業者によって分割回数を変えて合意することが増えています。

全社が同じ回数で合意できればよいのですが、その場合は、短期間で統一することになってしまい、返済が厳しくなってしまうため、業者によって返済期間を変える合意のほうが多いです。

たとえば、今回のケースでは、楽天カードは5年、他社は約7年での分割払いの合意としています。

そのため、当初の返済額は約3万8000円、6年目以降は約3万円となっています。

借入先が、銀行や消費者金融中心で、300万円の債務がある場合には、任意整理での分割の目安としては5年なので、月額5万円程度を想定しておいたほうが無難です。クレジット会社が多い場合には、これよりも低い金額での解決も目指せる可能性がある、というわけです。

 

任意整理後はカードは使えない

任意整理も、債務整理の一つですので、信用情報には登録されます。

対象となったクレジットカードは利用停止となるので、毎月の支払などは現金払い等にする必要があります。

これまでは、借入をして、返済金額にあてるという自転車操業状態になっていた人も多いでしょう。

しかし、任意整理後は、収入から返済金額を出さないといけません。

そのため、家計の収入から、必要な生活費を差し引き、どの程度の金額であれば返済できるかの見通しを立てておく必要があります。

今までは、自転車操業状態で、資金が不足した場合に、新たに借り入れをすることで問題を先送りできていたかもしれませんが、これはできなくなります。

 

リボ払いと任意整理の比較

リボ払いなどで利息を負担しながら、借金を完済するのと、任意整理で返済するのでは、どの程度の違いがあるのでしょうか。

取引の内容によっても違いますので、一概には比較できないのですが、シミュレーションはできます。

今回のケースでは、複数のカードを利用していたため、多数の取引では、年利18パーセントの負担がありました。

そこで、300万円について、年利18パーセントで、毎月8万円を返済した場合の計算をしてみます。

この場合、完済まで56回の返済が必要です。5年弱の返済期間です。総額は約444万円の返済となります。

元金300万円に対して、144万円が利息としてかかっているわけです。実際には、再度借り入れをすることが多く、返済総額はもっと高くなるでしょう。

 

今回の任意整理では、月額を抑えたため、返済期間は長くなっています。任意整理では、元金のみの返済なので、総額は約300万円の返済となります。

任意整理をしたことによって、費用を支払っても、130万円以上の利益を得られたことになります。

ただし、信用情報には載るので、これがデメリットとなります。このデメリットと、利益を比較して、任意整理をするかどうか決めると良いでしょう。

 

任意整理の流れ

任意整理をする場合、弁護士の法律相談を受ける必要があります。

弁護士会のルールで面談が必要とされています。

面談後、任意整理の依頼を希望する場合には、費用を明記した委任契約書を作成します。

その後、弁護士から、債権者に受任通知を送り、返済も借入も一旦ストップします。

この間は、弁護士費用の分割払いが発生します。

債権者の金額調査を行い、金額が確定したら、返済のシミュレーションを出します。

毎月の返済額が予定どおり行けるとなれば、交渉を開始

交渉がまとまったら分割払いの合意書を作成、毎月の支払を開始します。

 

任意整理の支払

任意整理後の支払は、業者が指定した銀行振り込みになります。

債権者が多数の場合には、毎月、振込額をチェックし、忘れないように分配して振り込む必要があります。

また、債権者から、債権譲渡や振込先変更の連絡などが来ることもあります。

このような対応が煩わしい場合や、債権者からの郵便物が困るという場合には、弁護士の預り金口座に毎月入金し、弁護士が送金代行をすることもできます。

不安がある人は、このような代行を使うと良いでしょう。

 

任意整理では払えない場合

任意整理での支払が難しい場合には、個人再生自己破産など、他の債務整理方法を使うことも検討しましょう。

無理な任意整理での合意を進め、支払ができずに、結局、個人再生や自己破産になってしまう人もいます。

 

300万円の借金がある場合には、個人再生を利用すれば、100万円まで減額、これを3年で払うので、毎月の支払は3万円弱、返済期間は3年となります。

自己破産であれば、借金の支払いはしなくて良くなります。

パート収入という不安定さがある今回のケースでは、これらの手続きのほうが無難であると感じましたが、奨学金等の事情もあり、任意整理による解決となりました。

 


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